2024年は9人がFA宣言、6人が移籍
2024年はFA戦線が賑やかだった。9人がFA宣言し、6人が移籍。巨人・菅野智之はオリオールズ、ソフトバンク・甲斐拓也は巨人入りし、ライバル・巨人への移籍で揺れた大山悠輔は阪神に残留した。
1993年から導入されたフリーエージェント制度は、長年活躍してきた選手にとって勲章でもある。球団は生え抜きのレギュラー選手を囲い込もうとFA権取得が近い選手と複数年契約を結ぶ例も少なくないが、複数年提示を蹴って単年契約を選ぶ選手もいる。
選手がFA権取得を機に他球団の評価を知りたいと考えるのは当然のこと。権利を行使するのも、移籍するのも残留するのも、決めるのは全て選手自身だ。それほど野球人生において、FAは大きなターニングポイントとなる。
2025年も仮にFA宣言すれば目玉となりそうな大物がいる。順調にいけば2025年中に国内FA権を取得すると見られる主な選手は以下の通りだ。
【巨人】
中川皓太、吉川尚輝、岡本和真
【阪神】
青柳晃洋、植田海、近本光司
【DeNA】
神里和毅、関根大気
【ヤクルト】
小川泰弘、高梨裕稔
【中日】
小笠原慎之介
【ソフトバンク】
濵口遥大
【日本ハム】
玉井大翔、松本剛
【ロッテ】
美馬学、国吉佑樹、藤岡裕大、ネフタリ・ソト、石川慎吾
【楽天】
辰己涼介
【オリックス】
平野佳寿、山岡泰輔、山田修義、井口和朋、福田周平
【西武】
髙橋光成
阪神・近本光司は宣言すれば争奪戦も
2024年にセ・リーグ優勝を果たした巨人は、順調なら主砲・岡本和真が国内FA権を取得する見込み。ただ、メジャー希望を公言しているため国内FA権を行使する可能性はほぼないと見られる。中川皓太や吉川尚輝も順調にいけば取得する見込みだが、巨人から出ていく可能性は低いだろう。
阪神の近本光司は、もしFA宣言すれば争奪戦になる可能性がある。俊足強打で5度の盗塁王や最多安打のタイトルを獲得してきた外野手。推定3億7000万円の高額年俸はネックだが、球団から提示された複数年契約を断って単年契約を結んでおり、宣言する可能性もありそうだ。
ヤクルトの小川泰弘は2020年オフに宣言残留して4年契約。2024年オフに5000万円減の1億1000万円で新たに契約しており、2回目のFA権を取得しても前回残留した経緯から移籍の可能性は低いだろう。
阪神・青柳晃洋と中日・小笠原慎之介はポスティングシステムでメジャー移籍を目指している。
オリックス・山岡泰輔は2019年最高勝率、日本ハム・松本剛は2022年首位打者
パ・リーグはロッテとオリックスが多い。山岡泰輔は2024年は6試合登板に終わったが、2019年に最高勝率に輝いた実績の持ち主。まだ29歳で、推定年俸6800万円と“お手頃価格”ということもあって、宣言すれば獲得に乗り出す球団はありそうだ。
日本ハム・松本剛は2022年に打率.347で首位打者。2024年は打率.236に終わったが、去就が注目される選手の一人だろう。
ソフトバンク・濵口遥大は三森大貴との交換トレードでソフトバンクに移籍。宣言すれば、左腕を欲しい球団が手を挙げるかもしれないが、移籍1年でFA宣言する可能性は低いかもしれない。
西武・髙橋光成、楽天・辰己涼介はメジャー希望を口にしており、国内FA宣言する可能性は低いと見られる。(金額はいずれも推定)
【関連記事】
・【プロ野球】FA選手のランクとは? 補償内容がランクで変わる?
・FAで断トツ最多の28人を獲得した巨人、移籍選手の「その後」は?
・阪神タイガースからFA移籍した選手と移籍後の成績一覧