高卒4年目の細川が二軍で3つのタイトルを獲得
現在、優勝チームが決まりタイトル争いも佳境に入っているプロ野球。セ・リーグでは岡本和真(巨人)、大山悠輔(阪神)、村上宗隆(ヤクルト)の3人による本塁打王、打点王争いが熱を帯びている。11月8日終了時点では岡本が一歩抜け出しているものの、最終戦まで予断を許さない。
一方で二軍はファーム日本選手権もすでに終了。個人タイトルも確定している。イースタン・リーグでは、細川成也(DeNA)が最多本塁打、最多打点、最高出塁率と3つのタイトルを獲得した。打率も.318とリーグ3位。来シーズンへ期待を持たせる結果を残している。
細川は2016年ドラフト5位で指名され、明秀学園日立高からDeNAへ入団。1年目のシーズン終盤に一軍デビューを果たすと、初打席初本塁打を記録。翌日の試合でも本塁打を放つセンセーショナルなデビューを飾った。
しかし、それ以降は一軍で目立った成績を残すことができていない。今シーズンもここまで17試合の出場で打率.233(43打数10安打)、1本塁打と苦しんでいる。
OPSはダントツでリーグトップ
一軍ではなかなか結果の出ていない細川だが、二軍では3タイトルを獲得。各数値を見ると単純に本塁打と打点が増えただけではなく、1年目から徐々に成長していることがかがえる。
今シーズンのOPS.995は規定打席に到達している選手ではトップの数字で、2位の加藤翔平(ロッテ/OPS.869)とは.126もの大きな差がついている。出塁率と長打率が1年目から右肩上がりに推移。それに伴い、OPSも年々数字を伸ばすことができている。
1本塁打を放つのに要する打数を表す本塁打率も、1年目の36.8から16.5まで上がっており、村上が1年目に記録した21.5(17本/365打数)を上回っている。チームの先輩である筒香嘉智(現レイズ)は1年目に二軍で最多本塁打と最多打点の二冠を獲得しているが、その年の本塁打率は16.1(26本/418打数)だった。今シーズン細川が残した本塁打率は、村上や筒香が二軍で残した数字と遜色ないのだ。
また、三振が減り、四球が増えていることもK%とBB%からわかる。打席数に対する三振の割合を示すK%は1年目の41.8%から23.0%にまで減少し、打席数に対する四球の割合を示すBB%は7.8%から17.8%とこちらも大きく改善している。
リーグ屈指の外野争いに割って入ることができるか
DeNAの外野陣を見ると、今シーズンは佐野恵太、梶谷隆幸、オースティンの3人が基本体制だった。その他では二塁と併用されているソトや神里和毅が起用されてきた。佐野と梶谷は首位打者を争い、オースティンは故障での離脱期間がありながらも、20本塁打を記録している。
ソトは昨シーズンまで2年連続で本塁打を獲得し、今シーズンもリーグ5位タイの25本塁打を放った。神里も規定打席には到達していないものの、打率は3割を超えている。なにごともなければ、同じメンバーが来シーズンのレギュラー候補となるはずだ。
しかし、DeNAはラミレス監督の退任がすでに発表されている。後任人事は発表されていないが、今までの選手起用と方針が変わる可能性もある。また、外国人選手、そしてFA権を取得している梶谷の去就がわからない。
もちろん全員が残留したとしても、挑戦するチャンスは春季キャンプやオープン戦できっと与えられるはずだ。ハマの大砲候補・細川が二軍での実績を引っさげ、レギュラー争いに殴り込みをかける。
※数字は2020年11月8日終了時点
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