五十嵐は歴代7位の822試合、藤川は歴代8位の778試合に登板
プロ野球のペナントレースは大詰めを迎え、優勝争い、順位争い、そして個人タイトル争いが繰り広げられている。と同時に、今シーズン限りでユニフォームを脱ぐ選手が続々と引退を発表。
10月15日には五十嵐亮太(ヤクルト)が引退会見を行った。昨シーズンから古巣のヤクルトに復帰した右腕も今年で41歳。ここまで一軍登板はなく、「今シーズンに入る前から、結果が出なかったら引退すると決めていました」とすっきりした顔で語った。
そんな五十嵐は、日米通算905試合(日:822試合、米:83試合)に登板している。NPBのみでは822試合の登板だが、現役選手ではトップの数字で、歴代でも7位にランクインする。2位は五十嵐と同じく今シーズン限りで現役引退を発表している藤川球児(阪神)。日米通算807試合(日:778試合、米:29試合)に登板しており、NPBにおける778試合登板は歴代8位に相当する。
現役投手の登板数1位、2位が今シーズン限りでユニフォームを脱ぐことになったが、球界に大きな足跡を残したこの2人に次ぐ登板数を誇るのは誰なのだろうか。また、岩瀬仁紀(元中日)の持つ歴代最多登板数1002試合に追いつく可能性がある選手は存在するのだろうか。
31歳目前の益田が519試合
五十嵐と藤川に次ぐ現役3位の登板数を誇っているのが宮西尚生(日本ハム)だ。2007年の入団後、2008年から2019年まで12年連続50試合以上に登板している鉄腕。試合数が減った今シーズンでも現時点で45試合に登板。ここまでの通算登板数は729試合となっている。1985年生まれの35歳と若くはないものの、まだまだ登板数を積み重ねることができそうだ。五十嵐や藤川を超えるだけでなく岩瀬を超える可能性も十分にあるだろう。
4位は青山浩二(楽天/625試合)、5位が増井浩俊(オリックス/533試合)と続くが、青山は37歳、増井も36歳。ここから大きく登板数を増やすことは難しいかもしれない。
6位の益田直也(ロッテ/519試合)には大きな上積みが期待できる。2012年から(2017年をのぞき)50試合以上に登板し、今年31歳(10月25日生)とまだ若い。今年もクローザーとして既に47試合に登板しており、衰えは見られない。宮西に続く存在と言えそうだ。
主に先発起用ながらランクインを果たしたのが、現役最多173勝をマークしている石川雅規(ヤクルト/485試合)。現役生活が長いとはいえ、登板数は中継ぎ投手のほうが圧倒的に数字を伸ばしやすく、年間で25試合から30試合ほどの差がついてもおかしくない。にも関わらず、登板数で現役8位というのは驚きだ。
勝ち星やセーブ数と比べ、登板試合数は注目度が低くなる。勝ち試合でなくとも試合に登板すれば、数字を積み上げることができるからだ。しかし、「選手生命を脅かすような故障をせず一軍にいれるだけの力を維持し、複数年に渡って結果を残しつづける」ことは簡単ではない。
はたして五十嵐と藤川が届かなかった岩瀬の1002試合という高い壁に、宮西や益田は届くのだろうか。まだまだ先の話ではあるが、彼らが成績を残し続け、試合数を積み重ねていったとき、再び登板試合数の話題が出てくるだろう。改めてその時に五十嵐と藤川の凄さを再認識することになるはずだ。
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