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開幕再延期となったプロ野球 シーズンや日本シリーズの日程はどうなるか過去事例と比較

2020 4/7 11:00勝田聡
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開幕は5月中旬以降、交流戦中止案も

4月3日、日本野球機構(NPB)は4月24日を目標としていた2020年シーズンの開幕延期を発表した。4月下旬から5月初旬にかけて、今後の日程を改めて判断する。また、セ・パ交流戦の中止を含め、143試合からの削減案も検討されているという。どんなに早くても5月中旬以降の開幕となることは間違いない。これは1950年に2リーグ制になって以降、最も遅い開幕となる(前後期制の後期開幕を除く)。

これまでで最も遅く開幕したのは、両リーグともに1973年の4月14日。当時は両リーグ6チームの26試合制を採用しており、1チーム130試合を消化していた。セ・リーグは10月24日に全日程を終了し、前後期制を用いていたパ・リーグも10月16日に後期が閉幕している。

当時は、ドーム球場もなく現在より雨天中止が多かったものの、試合数が少なかったため大きく後ろにずれ込むことはなかった。しかし、今回のように開幕延期となれば、優勝決定日が遅延する可能性もある。近年はクライマックスシリーズを行うこともあり、両リーグとも9月中に優勝が決まるケースがほとんどだ。

これまで最も遅くリーグ優勝が決まったのは、セ・リーグで1950年の11月10日、パ・リーグで同年10月25日となっている。今年の優勝決定日は、これらよりさらに遅れる可能性もありそうだ。

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日本シリーズが12月に行われた例は皆無

開幕の延期はクライマックスシリーズや日本シリーズといったポストシーズンにも影響を及ぼしてくる。これまでの報道を見ると、クライマックスシリーズの廃止や日本シリーズの12月開催など、様々な案は出ているものの決定には至っていない。

過去の歴史を振り返ってみると、1950年から開催されている日本シリーズが12月に突入したことは一度もない。最も遅く始まったのが、開催初年度である1950年の11月22日である。毎日と松竹で争われた同シリーズは、第6戦に毎日が勝利し、初代日本一に輝いた。それは11月28日のことで、これが日本シリーズにおける最も遅い閉幕である。

近年では、東日本大震災の影響があった2011年の11月12日が最も遅く始まったシリーズとなっており、ソフトバンクが日本一を決めた第7戦は11月20日だった。

シーズンを何試合とするかによって日程は変わってくるが、日本シリーズが12月に突入する可能性もありそうだ。しかし、これには野球協約の定める參稼期間を超えることになり、選手会との折衝も必要となってくる。

シーズン中止は1945年の一度だけ

現時点では試合数を削減し、入場に制限を設けたうえでの開幕が濃厚だ。しかし、場合によっては無観客試合での開幕やシーズン中止という可能性もありうる。

アメリカではトランプ大統領が、各プロスポーツの団体に「8月、9月には観客を入れた上で試合を行いたい」との希望を伝えたという。無観客で開幕を行う前提での発言ではあるが、ここまでウイルスとの戦いが長引く可能性も想定しているのだ。

もちろん、アメリカと日本では事情が異なるが、最悪のケースが起こりうることも否定はできない。ちなみに、NPBにおいてシーズンが中止されたのは1945年の一度だけ。2リーグ制になって以降は、シーズンの打ち切りやストライキはあったものの、シーズン全体が行われなかったことは一度もない。

世界中のプロスポーツが日程面で苦慮している中、NPBはどのような決断を下すのだろうか。

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