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ホークス・甲斐拓也が野村克也氏の「19」西武・山川穂高は伝統の「3」…特別な背番号を受け継いだ選手たち

2020 4/7 06:00青木スラッガー
福岡ソフトバンクホークスの甲斐拓也ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

甲斐が捕手として野村克也氏以来となるホークスの19番に

毎年、シーズンオフには様々な理由で選手の背番号変更が行われるのだが、同時に新人選手への割り振りにも注目されている。中には、過去の名選手と似たプレースタイルや役割を持つ現役選手に同じ背番号が継承されることがある。今年もそういったケースがいくつか見られたので、開幕前に注目されていた背番号に変更する選手や、球団にとって重要な意味を待つ背番号を与えられたルーキーを確認しておきたい。

昨オフからの背番号変更で最もインパクトがあったのは、ソフトバンクの甲斐拓也ではないだろうか。2011年に130番の育成選手として入団した後、2014年の支配下昇格以降は62番でプレーしてきた。だが、今季からは19番に変更。

ホークスの19番といえば、今年2月に亡くなった野村克也の番号だ。1977年に野村がホークスを退団してからは、投手を中心に継承されてきた19番。これまで捕手が着用したことは一度もなかった。それから半世紀近く経ち、甲斐が捕手として初めて野村の系譜を継ぐこととなったのだ。

甲斐はこれまで度々、野村への憧れを公言していた。ユニフォーム姿を見せることができなかったのは残念だろうが、念願の19番継承は絶対的な正捕手へ成長するための大きなエネルギー源となるだろう。

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オリックス・山岡は金子の19番、西武・山川は伝統の3番を継承

捕手の19番は野村が例外で、一般的にはエース級の投手がつける番号として定着している。現在も、各球団の19番は甲斐以外の全員が投手だ。そして、今年から新たに19番をつけることになったのが昨季まで13番だったオリックスの山岡泰輔だ。

昨季の山岡は13勝を挙げてプロ3年目で自身初の2桁勝利を達成した。オリックスの19番の前任者は現日本ハムの金子弌大。2005年の入団以来14年この番号でプレーし、絶対的なエースとしてオリックスで通算120勝を挙げている。今後の山岡の活躍次第で、オリックスの19番にはエースの系譜が生まれてくるだろう。

パ・リーグで大きな動きがあったのは西武だ。山川穂高が33番から3番に、金子侑司が8番から7番に変更。7番は松井稼頭央二軍監督の現役時代の背番号だ。同じ俊足のスイッチヒッターである金子が、名誉ある番号を受け継ぐことになった。

3番は大下弘氏、榎本喜八氏、土井正博氏、清原和博氏、中島裕之、浅村栄斗とそうそうたる打者が背負ってきた歴史ある背番号。1986年に入団した清原以降、生え抜きの右の強打者が伝統的に受け継いでいる。2年連続本塁打王と勢いに乗る山川も、この歴史に加わった。

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中日は荒木氏の2番、岩瀬氏の13番をルーキーに

セ・リーグでは巨人に注目すべき動きがあった。今季2年目の高橋優貴が12番から26番へ、3年目の大城卓三が46番から24番へ変更。

26番は2018年まで現西武の内海哲也、24番は高橋由伸が現役と監督時代につけていた背番号だ。それぞれ左腕エース、左の中心打者としてチームを支えてきた。内海と同じく先発左腕である高橋、左の強打者として期待される大城。偉大な背番号の前任者のように投打の中心としてチームを引っ張っていけるだろうか。

中日では、ルーキーが重い背番号を受け継ぐことになる。ドラフト1位指名の石川昂弥が、同じ右の内野手である荒木雅博(現一軍内野守備走塁コーチ)が現役時代につけていた2番を継承。2位の橋本侑樹は、同じ左腕の岩瀬仁紀の13番を与えられている。

落合博満監督時代の黄金期を支え、名球会入りも果たし、2018年限りで一緒に現役生活に別れを告げた荒木と岩瀬。ファンにとっては、「レジェンド」とも呼べるほどの両氏。そして、その背番号はルーキーにとって相当な重圧だと予想されるが、それだけの素材だと球団が評価しているのだろう。

背番号は名選手へ継承されていくことで重みが生まれ、チームの伝統になっていく。球団にとって重要な意味を持つ背番号を受け継いだ選手たちは、ファンからの期待と同時に大きな重圧も感じるだろう。しかしそのプレッシャーに打ち勝ち、背番号にふさわしい活躍を残していってほしい。

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