大阪桐蔭と履正社以外では13年ぶりセンバツ
第94回選抜高校野球大会の出場校を決める選考委員会が28日に開催され、金光大阪(大阪)が13年ぶり3回目の出場を決めた。選抜大会の大阪勢は長らく全国的な強豪として知られる大阪桐蔭、履正社が占め、両校以外の選出は09年の金光大阪、PL学園以来、実に13年ぶりのこととなった。
「2強」は全国の舞台で常に、結果を残してきた。過去12年間で大阪桐蔭が9回出場し、3回の優勝を成し遂げれば、履正社も7回の出場で準優勝2回。17年には両校が決勝で激突するなど、大阪のレベルの高さを知らしめてきた。
「打倒2強」が全国への近道であることに違いはない。97年8月から母校の指揮を執る金光大阪・横井一裕監督(47)は「心」に勝機を見いだした。
「大阪桐蔭、履正社は日本全国のチームが対戦を求め、勝負してみたいと思う学校で、私どもも同じ。ただ同じようなことをしていたら、勝負にはならない。金光大阪らしく“1”を大切にする。1球、1イニング、1つのアウトに執着心を持って戦う」
体現したのは強固なバッテリーだ。右の本格派のエース・古川温生投手(2年)は最速140キロ直球を軸に、カーブ、スライダーなど多彩な変化球を駆使し、昨秋公式戦10試合中、6試合で完投。近畿大会1回戦・高田商(奈良)戦では11奪三振での完封勝利を挙げるなど、安定感抜群の投球で進撃の原動力となった。
攻撃陣は昨秋公式戦チーム最多タイの10打点を記録した主将・岸本紘一捕手(2年)を中心に、しぶとく加点していった。近畿大会準々決勝・近江(滋賀)戦では最大6点差を逆転。「全ての試合で、チャレンジャーと思って、挑んできた」と振り返る。大阪大会決勝で大阪桐蔭に0―7で敗れ、秋の段階での「打倒―」は果たせなかったが、全国の舞台で借りを返す機会は残っている。