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日大三島の返り討ちか、金光大阪のリベンジか、選抜高校野球で交錯する2つの歴史

2022 3/6 11:00SPAIA編集部
阪神甲子園球場Ⓒbeeboys/Shutterstock.com
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38年前も初戦で同じ大阪の三国丘と対戦

18日に開幕する第94回選抜高校野球大会の組み合わせが決まった。開幕カードは浦和学院(埼玉)と21世紀枠で選ばれた大分舞鶴(大分)が対戦。第2日には広陵(広島)-敦賀気比(福井)、第4日には星稜(石川)-天理(奈良)など強豪同士がぶつかり、優勝候補の大阪桐蔭(大阪)は第6日の1回戦最後のカードで鳴門(徳島)と対戦する。

1年生ながら高校通算50本塁打をマークしている花巻東(岩手)のスラッガー佐々木麟太郎ら注目選手も多い今大会。密かにマニア心をくすぐるのが第3日第2試合で対戦する日大三島(静岡)-金光大阪(大阪)のカードだ。

日大三島は今大会の選考から漏れて物議を醸した聖隷クリストファー(静岡)に勝って昨秋の東海大会で優勝。38年ぶり2回目のセンバツ出場を決めた。38年前の1984年センバツ初戦で対戦したのも今回と同じ大阪の三国丘だったのだ。

アウェーの雰囲気に呑まれることなく逆転サヨナラ勝ち

桑田真澄と清原和博が2年生だったPL学園(大阪)が優勝候補の大本命だった第56回大会(結果は準優勝)。タレント軍団のPLと違い、公立の進学校として50年ぶり2回目の出場を果たした三国丘は、地元というだけでなく半官びいきのファンからも熱い声援を浴びた。

しかし、日大三島はアウェーの雰囲気に呑まれることなく、見事に6-5で逆転サヨナラ勝ち。2回戦でこの大会ベスト4まで勝ち進んだ大船渡(岩手)に敗れたが、春夏通じて甲子園初勝利を挙げた。

今大会も大阪桐蔭が優勝候補と目されており、大阪から選ばれたもう1校の大阪金光と対戦する状況は38年前と酷似している。

報徳・大谷智久と金光大阪・吉見一起が激突

さらに日大三島を率いる永田裕治監督にとっても、金光大阪は因縁浅からぬ相手なのだ。前任の報徳学園(兵庫)時代、2001年秋の近畿大会決勝で両校が激突。報徳のエース大谷智久(現ロッテ二軍投手コーチ)が金光大阪のエース吉見一起(元中日)との投げ合いを制し、5-3で報徳が優勝した。

翌2002年のセンバツでも報徳は快進撃を続け、金村義明を擁して全国制覇した1981年夏以来の甲子園優勝。初出場の金光大阪は初戦で明徳義塾に敗れた。

あれから20年。2020年から日大三島の監督に就任した永田裕治監督は同校を38年ぶりのセンバツに導き、違うユニフォームを着て再び金光大阪と対戦することになった。2つの歴史が交錯する甲子園。日大三島の返り討ちか、金光大阪のリベンジか、注目の一戦となりそうだ。

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