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競歩のルールを解説、金メダル期待の東京五輪で50kmは最後

2020 3/6 17:00SPAIA編集部
世界選手権で優勝した鈴木雄介Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

1908年ロンドン五輪から実施

あまりテレビなどで放映される機会がないため、なかなか目にする機会が少ない「競歩」だが、2020年のオリンピックでも実施される競技だ。ここでは東京オリンピックの予習として「競歩」について説明する。

競歩の歴史については、諸説あるため明確にはなっていないが、1750年頃の英国貴族の散歩が発祥という説や、古代ローマの軍事訓練で、娯楽競技としておこなわれたことから発展したものだという説がある。

競歩が初めてオリンピック競技として採用されたのは、100年以上前の1908年第4回のロンドン大会。そのときはトラック競技だったが、1932年のロサンゼルス大会から50Kmのロード競技になり、もっとも過酷な競技として知られるようなった。競歩はとても長い歴史のある競技のひとつでもある。

世界大会でも失格者続出の競歩のルール

基本的なルールは、「歩いているときは常にどちらかの足が地面に接していなければならない」ことである。しかし、これが簡単なようでとても難しく、反則者も多い競技でもある。 そのなかでも特に多い反則である「ロス・オブ・コンタクト」と「ベント・ニー」について説明する。

・ロス・オブ・コンタクト
競歩では、両方の足が地面から離れた状態になってしまうことをロス・オブ・コンタクトという。足裏全体が上を向いてしまうときなどに起こりやすく、審判が真横から見たときに両足が離れたと判断された場合に反則となる。

・ベント・ニー
前脚が接地の瞬間から地面と垂直になるまで、膝を伸ばさなければならず、膝が曲がってしまうとベント・ニーという反則になる。

なぜ反則者が多いのかというと、上記の反則が、競技審判員の「目視」で判定され、(種目により)6名〜9名の審判員が審査をおこなうので、厳しくなるためだ。 反則をしてレッドカードが累積で3枚出されてしまうと失格となり、順位は1位でゴールしたとしても、2位でゴールした人が繰り上げ優勝するということもあり得る。

競歩50kmは東京オリンピック以降廃止

東京オリンピックでは20kmと50kmが実施されるが、国際陸上競技連盟がオリンピック・世界選手権での競歩50kmの実施を2021年までと決定したため、競歩50km種目は今回の東京オリンピックが最後となる。競歩が強いといわれている日本ではメダルが期待できる競技でもあるが、人気の低さと競技時間の長さが議論を呼んでいた。

東京オリンピックでは、2019年の世界選手権で優勝した20kmの山西利和、50kmの鈴木雄介らが金メダル候補に挙がる。50kmは東京オリンピックが最後の種目でもあるため、ぜひ応援して盛り上げていきたいところだ。