傾向解説
春の芝スプリント王決定戦・高松宮記念。芝1200mは日本競馬における非主流条件であるため、日本競馬を牽引する社台グループの苦戦が顕著で、血統面においても非主流血統馬が走りやすいレースとしても有名です。本記事では血統面を中心に、高松宮記念のレース傾向を整理していきます。
前述の通り、社台グループを中心としたリーディング上位種牡馬の苦戦傾向が目立ちます。特に1990年代以降、日本競馬の血統地図をたった一頭で塗り替えた大種牡馬サンデーサイレンスの血はむしろ持たない方がいいほど。
過去10年、父系での勝利はゴールドアリュール産駒(2022年ナランフレグ)のみで、道悪馬場だったという点もポイントです。日本の主流適性とはかけ離れた適性が求められるレースであることは間違いありません。
<父or母父サンデーサイレンス系の成績(過去10年)>
該当馬【1-7-6-90/104】
勝率1.0%/連対率7.7%/複勝率13.5%/単回収率26%/複回収率41%
非該当馬【9-3-4-60/76】
勝率11.8%/連対率15.8%/複勝率21.1%/単回収率148%/複回収率233%
反対に注目血統として挙げたいのはStorm Catなどの、ダッシュ力に優れた北米血脈。特にStorm Cat内包馬は2019~21年の3年連続で勝ち馬を出しており(※2020年優勝馬モズスーパーフレアは2位入線からの繰り上がり)、一昨年も12番人気のファストフォースが大金星を挙げています。
さらに、馬券圏外でも2016年16番人気4着アクティブミノルや2020年12番人気5着シヴァージ、2024年12番人気5着ロータスランドなど期待値以上の走りを見せる馬も多く、爆発力にも期待が持てる大注目の血統といえるでしょう。
<Storm Cat内包馬の成績(過去10年)>
該当馬【4-3-3-36/46】
勝率8.7%/連対率15.2%/複勝率21.7%/単回収率170%/複回収率169%
また、秋のスプリンターズSとは馬体重の面で大きな違いがあります。中山で行われるスプリンターズSでは小回りコースを器用に立ち回る機動力が求められるため、小柄な馬が走りやすいですが、中京で行われる高松宮記念では長い直線で伸び負けないスピードが求めらるため、大型馬が走りやすい傾向です。
<高松宮記念 馬体重別成績(過去10年)>
~479kg【1-4-3-56/64】
勝率1.6%/連対率7.8%/複勝率12.5%/単回収率9%/複回収率33%
480kg~【9-6-7-94/116】
勝率7.8%/連対率12.9%/複勝率19.0%/単回収率115%/複回収率171%
<スプリンターズS 馬体重別成績(過去10年)>
~479kg【4-4-8-54/70】
勝率5.7%/連対率11.4%/複勝率22.9%/単回収率28%/複回収率94%
480kg~【6-6-2-75/89】
勝率6.7%/連対率13.5%/複勝率15.7%/単回収率72%/複回収率56%