「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

ここが違う!レスリングとプロレスを徹底的に比較してみた

2016 12/16 20:07
このエントリーをはてなブックマークに追加

「戦い方」にはどのような違いがあるか

レスリングとプロレス、それぞれの選手の戦い方にどんな違いがあるのだろうか。「組む」「投げる」「押さえつける」といったレスリングスタイルが基本にあることは共通している。しかし、レスリングの動きはどこまでもルールにしばられている。レスリングの選手が相手の後ろにまわったり、うつぶせの相手をひっくりかえしたりといった独特の動きをするのは、それらの動きにポイントが割り当てられているからだ。
他方、プロレスにはそのようなポイントは存在しない。プロレスラーが目指すのは「相手をダウンさせる」ということだけ。ダウンさせれば、フォールやテンカウントを奪って勝ちにつなげることができるからだ。したがって、「相手選手をダウンさせる技」をできるだけたくさん仕掛けて、立ち上がれないようにするのが競技としてのプロレスの戦い方だ。

「反則技」の範囲が圧倒的に違う

たとえばレスリングの試合では、相手ののどをつかむ行為は窒息のおそれがあるので反則技だ。競技はただちにストップされ、反則を受けた選手にはポイントが加算される。しかしプロレスでは、相手選手ののどをおさえつけるなんて日常茶飯事だ。「チョークスリーパー」はプロレスでも反則だが、ポイントの加算などはない(そもそもポイント制ではない)し、レフェリーも数秒程度のチョークスリーパーなら大目に見る。
もっと大きな違いは「頭部への攻撃」だ。レスリングでは、相手の頭部をマットに垂直に落とす行為は「絶対禁止」だ。これは頚椎を損傷するおそれがあるからだ。ところがプロレスでは、頭から落とすのが当然といわんばかりに、バックドロップ、パイルドライバーなどの危険な技がごく普通の技として認められている。
もちろん一般の人がこのような技を受ければ間違いなく大事故になるし、レスリングのメダリストであっても無事ではいられないだろう。想像を絶するトレーニングで首まわりを頑丈に鍛えているプロレスラーだからこそ、このような危険な技の応酬が認められているわけだ。

「興行(ショー)として成り立つかどうか」という違いも大きい

「プロレスはショーである」という考え方は昔から根強くある。「ショーだから、八百長でもなんでもあり!という事実を受け入れること、それがプロレスラーになるための最低条件である」という考え方すらある。
たしかにプロレスを主催する団体は、大きな会場にたくさんのお客さんを集め、その入場料やグッズ販売などを大きな収入源としている。昔はテレビ中継も盛んだったので、全日本プロレスや新日本プロレスといったメジャー団体には莫大な放映権料が入ったといわれている。このように、プロレスは「興行」として運営されることで選手の生計を支えている。プロレスの「プロ」とはそういう意味だ。
他方レスリングは、そのような興行は不可能ではないが、実際には困難だ。なぜなら「娯楽性」が乏しいからだ。観客は、細かいルールにしばられたレスリングの試合をみていても興奮したり叫んだりしない。レスリングはあくまでも「競技」だということだ。

まとめ

レスリングとプロレスの違いを紹介した。どちらも起源は同じなのに、内実には大きな違いがある。レスリングのスター選手はオリンピックのメダルのような「この世に2つとない名誉」を、プロレスの王者は「莫大なファイトマネー」を手にする。それを選ぶのは選手たち。わたしたちファンは、両者の違いを理解したうえで、どちらも楽しんで応援できれば言うことない。

おすすめの記事