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女子バレー最年長の主将・荒木絵里香が36歳で東京五輪にこだわる理由

2021 7/11 06:00有栖沙織
荒木絵里香,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

4大会連続五輪出場・荒木絵里香が東京五輪メンバー入り

日本バレーボール協会が6月30日に東京五輪代表選手12人を発表した中に、今回最年長の36歳・荒木絵里香の名前が並んでいた。ロンドン五輪に続き、2度目の主将での選出だった。

最初に荒木絵里香が五輪出場を果たしたのは、2008年の北京五輪。チームとしてはメダル獲得には届かず5位という結果に終わったが、荒木はその高いブロック力を評価され、高身長の海外勢を押しのけてベストブロッカー賞に選出された。

その後も銅メダルを獲得した2012年のロンドン五輪、惜しくもメダルを逃したリオ五輪に出場しており、今回の東京五輪で4大会連続出場という偉業を果たそうとしているのである。

7歳の子持ちママ36歳の挑戦

北京五輪の時は荒木はまだ24歳。2005年から代表入りして世界で活躍する経験を積んでいることや、2008年のVプレミアリーグで54.7%という高いアタック決定率で所属チーム「東レ」の初優勝に貢献したことが評価され、堂々の選出を果たした。

当時は若手として活躍を期待されていた荒木も、今回の東京五輪は36歳での出場であり、チーム最年長となっている。長く全日本の躍進に貢献している荒木だが、長いバレーボール人生の中では何度も転機が訪れている。それが2013年の元ラグビー選手・四宮洋平との結婚、2014年の女児出産である。

妊娠した後は所属チームの東レを退社していることから、誰もが荒木の引退を覚悟していた。しかし、「世界をぶち抜く鉄腕エリカ」は一児のママとなり、再度日本バレーボール界に戻ってきた。出産から半年でVプレミアリーグに復帰し、翌年には全日本に選出。今年の東京五輪は、7歳の娘を持つママとして五輪のメダル獲得に再挑戦する。

子どもが生まれてもバレーは辞められなかった

結婚や出産を機に競技を離れる女性アスリートは多い。ましてや、復帰しても日の丸を背負って戦う第一線に戻ってくる選手はほとんどいないだろう。しかし、荒木絵里香の中にバレーボールを辞めるという選択肢は一切なかった。

東京五輪が延期になった時、混乱している荒木に対して、家族は「もう辞めてもいいんじゃないか」と問いかけた。それに対して、荒木は「まだやめられない」と即答したそうだ。この言葉から、もう1年延長された荒木のバレーボール人生がスタートした。

7歳の娘の気持ちを考えると、ママが東京五輪に選ばれて日本代表として活躍することよりも、自分の傍にいてほしいという気持ちの方が大きいかもしれない。そんなことを一番感じているのは荒木自身である。

それでも荒木はまっすぐに自分の目標に向かって進み続けている。その原動力はいたってシンプルなものだ。「ただ、バレーボールが好きだから」

荒木絵里香の集大成となる東京五輪

4度目の五輪は、チームの中心である主将として挑む。東京五輪の前哨戦である6月のネーションズリーグでも、チームメイトはもちろん、画面の前で応援していたバレーボールファンも荒木の存在感をひしひしと感じたことだろう。そこにいるだけで安心感のある、頼りになる存在は今の日本代表で無類の選手だと言える。

もちろんプレー面でも海外の若手選手にも勝るとも劣らない実力を発揮していた。荒木絵里香なしで今の日本代表は成り立たないだろう。

荒木は日の丸を背負って戦うのはもうこれで最後だと決めている。小学5年生から始め、日本代表として長い間戦い続けてきたバレーボール人生の集大成が今回の東京五輪である。一世一代の大舞台で彼女はどのようなプレーを見せるのか。さまざまな思いを胸にコートに立つ荒木絵里香のプレーから目が離せない。

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