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人気急上昇中!実はまだ歴史が浅いトライスロン

2016 12/16 11:07
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Photo by Hans Christiansson / Shutterstock.com

走る、泳ぐの基本運動に自転車を組み合わせた競技がトライアスロンです。 現在ではオリンピックの種目にもなっており、大会も活発に行われていますが、意外にもまだ歴史が浅い競技です。 そこで、ここではトライアスロンの発祥から世界各地及び日本におけるトライアスロンの現状について紹介します。

トライアスロンの発祥は約40年前のアメリカで行われたレース

世界で初めてのトライアスロンの大会は、1974年にアメリカのカリフォルニア州サンチャゴのミッションベイで行われた「ミッションベイ・トライアスロン」です。ラン4.5km、バイク8km、スイム400m、ラン3.2km、スイム400mという順番で、ランとスイムが各2回でバイクが1回という変則的なルールで実施され、46人の選手が参加したという記録が残っています。
この大会はその後も開催されており、毎年1500人以上のアスリートが参加し、男女の混合リレーやビアガーデン、パフォーマンスもあり、お祭りのようなイベントになっています。

スイム、バイク、ランという現在の順番になったのはハワイのレースから

4年後の1978年、ハワイのオアフ島で開催されたのが「アイアンマントライアスロン」で、究極の耐久レースとしてトライアスロンが世界に広まる発端となりました。
当時、オアフ島では有名なホノルルマラソン、ワイキキビーチでのスイム大会、オアフバイクレースが開催されており、ある集まりで「水泳、自転車、長距離走の中で1番過酷なのはどれか」という議論になりました。「では3つ一緒にやってみては?」という提案がなされ、翌年15人の有志による大会が開催され、勝者に最高のアスリートとして「アイアンマン」の称号が与えられました。

日本での初開催は鳥取県の皆生温泉、女性2名を含む53人が参加

日本で初めてトライアスロンの大会が開かれたのは、ハワイの大会から3年後の1981年です。開催されたのは鳥取県の皆生温泉というちょっと意外な場所でした。
旅館組合の若手経営者たちが開湯60年の企画として新しいスポーツの大会を開くことを発案し、実際にハワイの大会に参加した人をオブザーバーとして招致して開催にこぎ着けました。女子2名を含む53名の選手による大会は成功し、歴史は今年で36回を刻んでいます。皆生温泉には、日本での発祥を記した記念碑が設けられています。

宮古島大会のテレビ中継、オリンピックでも採用されて注目が集まる

その4年後に沖縄県の宮古島で「第1回全日本トライアスロン宮古島大会」が開催され、NHK総合テレビが生中継で全国放送したことで一躍注目が集まりました。2009年の新潟国体から公開競技になり、「2016年希望郷いわて国体」で初めて正式種目として実施されました。
また、アメリカでは1990年代以前からメジャーなスポーツになっていましたが、何と言っても2000年のシドニーオリンピックから正式競技となったことで、オリンピアンを目指そうとする競技人口が急増しました。

オリンピックや世界選手権は、競技者が目指す最高峰の大会

4年に1度行われるオリンピックは別格ですが、トライアスロンの大会としてトップにあるのが「世界トライアスロン選手権」です。当初は毎年1回の開催で勝者を決めていましたが、現在は世界各地で6大会を行い、上位の選手による「グランドファイナル」で総合優勝が決定します。
他に世界的なレースとして、ハワイの「アイアンマントライアスロン」、日本の「宮古島トライアスロン」などは人気があるため、なかなかエントリーができない状況です。一度参加すると夢中になる競技として、トライアスロン熱は年々盛り上がっています。

まとめ

トライスロンの発祥は1970年代で、まだ歴史が浅いということがわかりました。 その一方で、オリンピック競技になったり世界大会が注目されるなど、スポーツとしてのメジャー化に成功しています。 アスリートとして参加できなくても、チャンスがあれば生で見てみたい競技です。