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テニスの知識を身に着けよう―タイブレークのルールは?

2019 7/21 15:00中村光佑
TENNISⒸEvgenii Matrosov/Shutterstock.com
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ⒸEvgenii Matrosov/Shutterstock.com

覚えておきたいタイブレーク

テニスを見ているとタイブレークという言葉を聞くことがあるが、そのルールを知っているだろうか?

通常、テニスで1セットを奪うには、2ゲーム差をつけて6ゲームを先取しなければならない。しかし、両者がサービスゲームのキープをし続けた場合などは、2ゲーム差つけずに同点になることがある。そうなると、タイブレークで1セットの決着をつけることになる。

独特なルールを持つタイブレーク

1セットの決着をつけるために延長戦のような形で行うタイブレークは、ゲーム制ではなくポイント制。

通常のゲーム先取制とは異なり、先に2ポイント以上の差をつけて7ポイントを取得した方が1セットを取れる。だが、ポイントのカウントが6-6となった場合は、どちらかのプレーヤーが連続で2ポイントを先取しなければならず、決着がつくまで続行される。

ちなみにタイブレークで2ゲーム差以上の差をつけて勝利した場合でも、セットのゲームカウント(試合結果)は1点差で表記される。これもタイブレークのみの表記だ。

2ポイント差以上つけて7ポイント先取した場合ⒸSPAIA
6-6から2ポイント連取でタイブレーク勝利した場合ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

他にもサーブ権の交代の仕方も異なる。通常は、どちらかのプレーヤーが1ゲームを取るまでサーブ権が入れ替わることはない。

ところが、タイブレークは違う。1ポイント目に片方のプレーヤー(プレーヤー1)がデュースサイドからサービスを打った後、もう片方のプレーヤー(プレーヤー2)がアドサイド、デュースサイドという順番で打つ。そこからプレーヤー1がアドサイド、デュースサイドからサーブを打ち、最後にプレーヤー2がアドサイドからサーブを打つのが一連の流れとなっている。

また、通常はゲーム数が奇数である第1、第3ゲーム終了時にするコートチェンジ(エンドチェンジ)も、タイブレークの場合は3-3、2-4、6-6のように合計ポイント数が6の倍数になったタイミングで行う。ちなみにコートチェンジは、片方のプレーヤーだけが太陽光や風向きの影響で不利にならないようにするためである。

さらに、タイブレークに入ると審判の判定への異議を唱えられるチャレンジシステムの回数も1回分増える。1セットに3回までチャレンジできるのだが、全部使い切ってもまだ1回使えるのだ。一度も使わなかった場合は4回に増え、より勝敗を分けるチャレンジ成功のチャンスが出てくる。

最終セットのみタイブレークのルールが異なる4大大会

テニスのツアー大会でのタイブレークは、すべて7ポイント先取である。しかし、ウィンブルドン(全英)などの4大大会の最終セットのみ、大会ごとにタイブレークのルールが異なる。

2019年から、主に試合時間の短縮を目的とし変更。多少複雑なため簡単にまとめたが、魅力は大会ごとの個性が出ていることだろう。

四大大会の最終セットのタイブレークルールⒸSPAIA

ⒸSPAIA

ポイント制のため、通常よりも緊張感が増すタイブレーク。テニス観戦を楽しむ上でも、タイブレークのルールはしっかり覚えておきたいところだ。

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