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これであなたも相撲通!後援会を解説

2018 3/7 09:59奏希01
相撲,ⒸShutterstock.com
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角界についてもっと知りたい

日本の国技と言われ、本場所中は毎日中継されている大相撲。力士は他のアスリートとは一線を画し、特別な存在と思っている人も少なくない。「力士に赤子を抱いてもらうとその子は丈夫に育つ」、「四股を踏めば邪気を払える」と言われ、縁起がよいとされている。

その反面、角界については知られていないことがたくさんある。髷を結っていて着物姿なら「力士だ」と分かるが、その他についてはあまり知られていない。ネットで調べ力士や相撲部屋の知識を得ることはできる。しかし、実際に力士と話してみなければわからないことはあまりにも多い。後援会や祝賀会に参加することによって、力士と話す、もしくは角界について深く知ることができる。

後援会に入会するには

お気に入りの力士や親方ができたら、後援会に入ってみるのがお勧め。相撲の後援会というと、敷居が高いような気がするという人も多いだろう。しかし、実際手続きをすると何も難しいことはなく、すぐに後援会の一員になることができる。実際私の周りには後援会に入っている人がおらず、飛び込みで入ったような感じだ。相撲部屋によって異なるが、入会金(私が入会したのは浅香山部屋=元大関・魁皇が立ち上げた部屋)は15,000円だった。

後援会に入ると千秋楽後の祝賀会の案内、会報、記念品などが贈られる。番付が発表されると番付表が送られてくるので「いよいよ相撲シーズンだ」とこちらまで力が入る。大げさかもしれないが、それまでは「ただの相撲好き」だった者が「力士の身内として本場所を一緒に戦う」という気分にさせられるのだ。

祝賀会について教えて

力士と談笑したり、親方に祝辞を述べたりすることができるのが祝賀会。こちらも部屋によって違うが、参加費(10,000円程度が多い)を払い出席する。特に後援会に入っていなくても参加できる部屋もある。そのため「祝賀会に行って部屋の雰囲気やお気に入りの力士と話してみてから後援会に入会する」という方法も可能である。

こちらも浅香山部屋の説明になるが、祝賀会は立食パーティー形式で行われた。力士の成績発表、くじ引き(景品あり)、アイドルのミニライブ、力士のカラオケ、相撲甚句(江戸時力力士の間で歌われてきたはやし歌)など出し物が盛りだくさんだった。

どういう人が後援会に入っている?

まだまだ相撲を見始めた段階なので、後援会に入るほど知識がない。そう思っている人も多いことだろう。しかし、特に相撲の知識はいらない。「この力士を応援したい」「この部屋を盛り上げたい!」そう思う気持ちがあればいいだろう。

私が祝賀会で知り合った方は、元々親方の現役時代からのファンで、部屋を立ち上げることをきっかけに親子で後援会に入会したという。ちょっと前に相撲を見るようになったという人もいれば、テレビを見てこの部屋の応援をしたくなったという人もいた。

「後援会」というと一つの巨大組織のようなイメージを与えられるかもしれないが、一人で入っている人や、親子で入っている人もいる。サッカーのような熱狂的なサポーターというよりは、「親方が育てる若手力士を一緒に支えていこう」思っている人が多いように見受けられた。

後援会に入ることで相撲の楽しみ方が変わる

これは私の持論かもしれないが、相撲ファンの多くは「今場所誰が優勝した」とか「日本人力士が好成績を残した」という結果に着目する。さらにテレビで相撲を見る際、幕内の後半あたりからの取り組みを見る人も多いだろう。

しかし、相撲が面白いのは何も幕内に限ったことではない。まだ入門したての力士が、四苦八苦して番付を上げていき、「十両力士」という誰もが最初に抱く夢に向かっての戦いの面白さに気づかされることだろう。

後援会に入っていると、力士はもはや自分の子であるかのように、手に汗握り力の限り応援する。入門当初から目をかけている力士が十両へ昇進し関取になる。こんな光景を見てしまったら涙があふれてしまうくらい感激してしまうことだろう。

今までとは違った視点で相撲を楽しむ

このように後援会に入ることによって、マスコミでは取り上げられない力士の一面を見ることができ、自分の目線で相撲を楽しむことができる。

私は浅香山部屋の祝賀会でこんな光景を目にすることができた。角界には「初髷を結った力士に対してコンパチ(デコピン)をする」という風習がある。部屋一番の弟弟子である是安が初髷を結った際には、兄弟子の魁清城が「記念なのでデコピンしてやってください」と嬉しそうについて回っていた。

そこには誰が見てもすがすがしい「かわいがり」があったのだ。こういった光景は祝勝会に足を運ばない限り、見ることはできないだろう。