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大相撲優勝パレードの意義、見どころなどを解説

2017 5/8 19:55kinsky
相撲,ⒸShutterstock.com
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Photo by J. Henning Buchholz / Shutterstock.com

大相撲の本場所が終わる千秋楽には、恒例の優勝力士によるパレードが行われる。会場を出発して、所定のコースを約30分かけてパレードするのが慣例だ。優勝パレードの見どころやエピソードなどを取り上げる。

優勝パレードは、千秋楽終了後に会場を出発して実施

大相撲の優勝パレードは千秋楽の取り組みが終了し、午後6時半頃まで優勝や三賞の表彰式が行われた後に開催される。予め会場の玄関前でオープンカーが待機しており、表彰式が終わって会場から出てくる優勝力士と旗手が車に乗り込み、会場内外で待っている大勢のファンの声援に答えながら、車はゆっくりと走る。
オープンカーに乗るのは優勝力士、旗手の他、師匠などの部屋の関係者が同乗する場合もある。所定のルートを約30分かけて走行する。

最近では出身地や出身母校などでも優勝パレードを行う場合も

大相撲の優勝パレードは、千秋楽の表彰式が終了後会場を出発して近隣を周回すが、それとは別に力士の出身地や所属部屋に戻って付近をパレードすることもある。最近では2016年初場所に日本人力士として10年ぶりの優勝を飾った大関琴奨菊が、所属している佐渡ヶ嶽部屋がある千葉県松戸市で優勝報告会とパレードを盛大に行った。
また、同年9月場所で全勝優勝した大関豪栄道関は母校・埼玉栄高校があるさいたま市のJR西大宮市と出身地の大阪府寝屋川市でもパレードを行った。

パレードの車に乗り込むのは優勝力士、旗手、部屋関係者など

大相撲の優勝パレードには優勝力士本人はもちろん、オープンカーで横に乗る旗手も目立った存在になる。旗手は基本的には優勝力士と同じ部屋の関取が務めるのが慣例だ。同じ部屋に関取がいない場合は一門の関取に依頼する場合が多いようだ。
2017年1月場所で優勝した稀勢の里関の時は、同じ部屋の弟弟子でもある高安関が旗手を務めた。その前の2016年11月場所は横綱鶴竜が優勝したが、旗手は同門で横綱土俵入りでも太刀持ちを務めた勢関だった。

横綱白鵬が平幕力士の優勝で旗手を務めた異例のケースも

パレードの車に同乗して旗手を務めるのは、同部屋か同じ一門の力士になるのが通例だが、2012年5月場所に平幕の旭天鵬関が優勝した際に、横綱白鵬関が旗手を務め物議を醸したことがあった。旭天鵬関は大相撲界に入った初のモンゴル出身力士で、白鵬関は旭天鵬関の相撲を見て角界入りを夢見ていたことで、同郷の先輩に敬意を表したものだ。
しかし、両力士は同部屋でも同門でも無かったため、協会の幹部は「平幕力士の優勝に横綱が旗手を務めるとは白鵬の勝手な行為」と批判した。

白鵬は引退する先輩力士に旗手として「最後の花道」を用意

旭天鵬関の平幕優勝に白鵬関が旗手を務めた異例の行為は、協会幹部から批判を浴びたが、マスコミでは「美談」として取り上げられた。また、このエピソードには後日談がある。
旭天鵬関は幕内を99場所も務めて2015年7月場所を以て引退した。奇しくもこの場所優勝したのは白鵬関だった。35回目の優勝パレードに臨んだ白鵬関は、同乗する旗手としてモンゴルの先輩旭天鵬関を指名した。旭天鵬関に対して横綱が「最後の花道」を用意した形になった。

まとめ

千秋楽が終了して表彰式が行われた後、優勝力士を乗せた車で会場からパレードが行われる。会場前及び沿道からの大声援を受けて、力士は優勝の感慨に浸る。ここではパレードについての説明や過去のエピソードなどを紹介した。