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データから浮上した新大関候補3力士とは?2022年の大相撲予想

2022 1/1 11:00横尾誠
イメージ画像ⒸIvan Roth/Shutterstock.com
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若くして十両・幕内に昇進しているのが大関の条件

昨年の大相撲は照ノ富士の大関復帰、横綱昇進が話題になったが、新大関は誕生しなかった。新大関は令和2年9月場所後の正代以来誕生していない。まだ長い時間がたったわけではないが、正代と貴景勝の2人しか大関がいない現状を考えると、新大関の誕生は待たれるところだ。

では今年、大関昇進が期待される力士はいるのだろうか。過去に大関に昇進した力士の傾向から、可能性のある力士は誰なのかを調べてみた。

まずは大関昇進者の特徴だが、大関昇進が高齢だった力士でも、若くして十両・幕内に昇進している。現役力士を見ても、栃ノ心の大関昇進は30歳8カ月だったが、十両には20歳2カ月、幕内には20歳6カ月で昇進している(年齢は場所開催月の1日時点、以下同じ)。これは昇進者としてはかなり若い部類に入る。

年6場所制定着の昭和33年以降の新十両の平均年齢は23歳6カ月で、新入幕は24歳2カ月だが、大関昇進者に限ると新十両は20歳7カ月、新入幕は21歳3カ月と相当に若年であることが分かる。

また大関昇進者で十両昇進、幕内昇進が最高齢の力士は十両では24歳0カ月の初代豊山、幕内では25歳2カ月の霧島だ。つまりは若くして十両、幕内に昇進していることがデータ上は大関昇進への大きな要件となっている。

大関昇進力士の十両・幕内高齢昇進

大関は十両時代の勝率が高い

とはいえ、これを満たしている現役力士は大関経験者を除くと37人いる。だが、大関昇進者にはこれ以外にも大きな特徴があり、十両での勝率が高い。中には千代の富士のような十両での勝率が.520(130勝120敗)という力士もいるが、大関昇進者の十両での勝率は.626と高い数値となっており、63人中43人が勝率6割越えだ。ここまで含めると14人にまで絞られる。

また、大関昇進者の1年前(6場所前)、1年半前(9場所前)に在位していた地位を見てみると、前頭5枚目以上に在位している力士が54人、1年半前であっても47人と8割程度がいわゆる上位総当たりと言われる地位に在位し続けていることが分かる。

つまり若くして十両、幕内に上がっていること。十両での勝率が高いこと。上位に在位し続けていること。これが大関昇進者の特徴だ。

条件を満たす御嶽海、隆の勝、霧馬山

現在、これを満たす力士は御嶽海、隆の勝、霧馬山の3人だ。御嶽海はずっと大関候補と目されているため驚きはないが、隆の勝と霧馬山も十分に過去の大関と同じような経緯をたどっているのだ。

隆の勝は新十両が22歳11カ月、新入幕が23歳9カ月で十両での勝率は.603(85勝56敗)。霧馬山は新十両が22歳10カ月、新入幕が23歳8カ月で十両での勝率は.600(45勝30敗)で近年は幕内上位で戦い続けている。この数字だけで十分な大関候補であり、今年大関昇進の期待が持てる力士と言える。

そのほか、1月場所の番付上位力士で、若年での昇進、十両勝率6割を満たしている力士には宇良、逸ノ城、玉鷲、遠藤らがいるが、隆の勝と霧馬山には他の力士にはない特徴がある。

1月場所上位力士の昇進年齢・十両勝率

同部屋に横綱や大関が存在

大関以上ともなればその人数は限られるが、大関昇進者には同部屋に横綱や大関がすでに在位しているケースが少なくない。近年を見ても、高安には稀勢の里、照ノ富士には日馬富士、琴奨菊には琴欧洲がいた。

もう少し遡ると、武蔵丸・出島・武双山・雅山の武蔵川勢、貴乃花・若乃花・貴ノ浪の二子山勢と複数の大関以上力士が1つの部屋に在位しているケースが目立つのだ。

これは貴景勝と同部屋の隆の勝、そして引退した鶴竜と短期間ではあるが同部屋だった霧馬山は大関昇進の可能性がより高いと言える。

データ通りにことが運べば、隆の勝や霧馬山が今年中に大関昇進を果たすという期待が膨らむ。果たしてこの通りに行くのか、ほかの力士が大関昇進を果たすのか、それとも1年間、新大関は誕生しないのか。2022年の大関争いに注目だ。

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