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【東京六大学野球秋季リーグ】慶応大46年ぶりのV3なるか

2018 9/28 13:00勝田聡
野球ボール,ⒸShutterstock.com
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V3を目指す慶大、投打ともに冴える法大が好発進

東京六大学野球は第3週が終了した。ここまでの戦いぶりを振り返ってみたい。

春季リーグを制した慶応義塾大は、1971年秋から1972年秋にかけて3季連続優勝を果たして以来、46年ぶりの3連覇を目指す。今季も順調な滑り出しを見せており、4勝1敗の勝ち点「2」で法大と並んで首位に立っている。

今季の打撃陣で好調なのが、リーグ戦初本塁打を含む3本塁打を放っている中村健人(3年)。春は打率.200(30打数6安打)と奮わなかったが、現時点で打率.500(16打数8安打)、3本塁打、11打点と打棒が爆発している。打率ランキングでは2位だが、本塁打、打点の両部門では首位に立つ。まだまだ先は長いが、三冠王も十分に狙えそうな勢いだ。

投手陣では高橋佑樹(3年)が先発、中継ぎで2勝0敗、防御率2.25と奮闘しているが、チーム全体としては防御率3.60といまひとつ。その他の投手たちの奮起が求められる。

慶大とともに首位に立つ法政大は、昨春の甲子園において福岡大大濠高をベスト8に導いた三浦銀二(1年)をはじめとした投手陣が奮闘。チーム防御率2.17はリーグ2位の成績で、チームを引っ張っている。

一方の打撃陣もチーム打率.294でリーグ1位と好調だが、その中で今秋のドラフト候補でもある中山翔太(4年)が少し出遅れている。ここまで2本塁打と自慢の長打力は健在だが、打率.259といまいち波に乗り切れていない。中山の上昇とともに、さらに打線が噛み合えば、6年ぶりの優勝も見えてくる。

打撃陣が課題の立大、エース・小島が引っ張る早大

勝ち点「1」で3位には立教大が続く。春は2位と健闘したが、チーム力ではなく田中誠也(3年)の力によるものが大きい。7試合に投げ6勝1敗、防御率1.16の成績で最優秀防御率を獲得し、ベストナインにも選出。チーム8勝のうち実に6勝を田中で挙げてきた。

しかし、秋に入り田中は防御率2.95ながら2連敗と白星を挙げることができていない。原因は得点力不足に悩む打撃陣。第3週の早稲田大戦では、3試合で2得点しかできず勝ち点を落としてしまった。打撃陣の奮起が優勝へのカギとなりそうだ。

勝ち点「1」ながら勝率差で4位となっている早稲田大は、エース・小島和哉(4年)が通算20勝目をマーク。浦和学院高時代に全国制覇を果たした左腕が、チームを引っ張っている。その他にも高校時代に甲子園を沸かせた徳山壮磨(1年)、西垣雅矢(1年)、早川隆久(2年)といった投手も揃っており、2015年秋以来3年ぶりの優勝を目指す。

明治大は苦しい戦いが続く、東大は2季ぶりの勝ち点を目指す

明大は2016年に春秋連覇を果たしてから、苦しんでいる。今春も7勝6敗の勝ち点「3」で3位に甘んじており、今季はリベンジを狙うが、ここまで勝ち点を挙げるに至っていない。野手では渡辺佳明(4年)、投手では武田祐(1年)が奮闘しているが、チーム打率.246はリーグ最下位、防御率3.23はリーグ4位とどちらも奮わない。まずは勝ち点を手に入れたい。

宮台康平(日本ハム)が抜け苦戦が予想されている東京大。開幕戦となった慶大戦で初回に岡俊希(2年)が3点本塁打を放ち、あわやの戦いをみせたが、逆転負けを喫してしまった。全員一丸となって2季ぶりの勝ち点を狙う。

秋のリーグを制し、11月に行われる明治神宮大会への切符を手に入れるのはどの大学だろうか。今秋のドラフト候補生たちも多くプレーしている東京六大学の熱戦に注目だ。

※数字は2018年9月24日終了時点