体育会学生向けイベントでパネルディスカッション
京都大学硬式野球部の近田怜王監督(33)、関西学院大学ラグビー部の小樋山樹監督(34)、京都産業大学サッカー部の吉川拓也監督(35)が5日、大阪市内で開かれた体育会学生向けイベント「スポナビキャリアセミナー」に参加し、パネルディスカッションを行った。
競技は違うが、3監督とも関西の大学スポーツ界で活躍する指導者。「決して技術がうまいだけ、試合に勝って強いだけを目指すだけではスポーツの価値を下げる。学生がスポーツを通して何に気付き、何を学び、人生にどのように活かすかが大切です」と声を揃えた。
昨夏の甲子園では、優勝した慶応義塾が導入していたメンタルトレーニングが話題になった。イベントでは最新のトレーニング方法についても議論され、「科学的トレーニングや最新のメンタルトレーニングを導入する前にそれを素直に受け入れる土壌があるかどうか、人間としての根っこが大切」などの意見が出た。
また、引退後や卒業後に社会に貢献し、日本に貢献することが大切という考えで3監督の意見が一致。「卒業後に幸せな人生を送ってほしいからこそ、技術以外も指導する」という熱い言葉に、参加した学生はメモを取りながら熱心に聞き入っていた。
イベントを終えた3監督は「競技の壁を超え、大学の壁を超えて、今回のような企画を今後もやっていきたい。本気で日本の学生スポーツの価値を上げるためには何が必要かを考え、行動に移していきます」と振り返った。
■近田怜王(ちかだ・れお)1990年4月30日、兵庫県出身。報徳学園高3年夏の甲子園でベスト8入りし、2008年ドラフト3位でソフトバンクに入団。引退後の2021年11月に京大硬式野球部の監督に就任した。2022年、エース水口創太が育成ドラフト7位でソフトバンクから指名されている。
■小樋山樹(こひやま・しげる)1989年10月13日、大阪府出身。関西学院高から関西学院大を経て栗田工業、NTTドコモでプレーしたスクラムハーフ。2020年4月に母校・関学大ラグビー部の監督に就任した。昨年の全国大学選手権で準々決勝進出し、帝京大に敗れている。
■吉川拓也(よしかわ・たくや)1988年9月1日、滋賀県出身。守山北高から京都産業大を経てカターレ富山に加入。ツエーゲン金沢や鈴鹿アンリミテッドFCでもプレーし、2023年から母校・京産大サッカー部の監督に就任した。同年の関西学生リーグで創部初優勝、全日本大学選手権(インカレ)でも準優勝に導いている。
【関連記事】
・慶応義塾高校野球部の吉岡眞司メンタルコーチが明かす甲子園で優勝できた理由
・広島修道大サッカー部で薬物乱用防止セミナー開催、日大アメフト部事件受け危機意識
・大躍進の広島大学サッカー部を株式会社アイグランが支援、地方から全国へ“国立の逆襲”