昨年25年ぶりインカレ出場の広島大
全国で保育園やフィットネスジム「エニタイムフィットネス」を運営する株式会社アイグラン(広島市)が広島大学サッカー部をスポンサードすることになり、19日に会見が開かれた。
2018年に就任した広島大の上泉康樹監督は「部活動の資金不足等を“国公立大学だから”とするのはただの言い訳であり、どうしたら少しでも経済的に助かるかを考えていないだけ」とアスリートのキャリア支援を基幹事業とする株式会社スポーツフィールド(東京都)と連携協定を締結。スポンサー獲得に乗り出し、このたびアイグランとの3年契約が決まった。
広島大は2019年に国立大学では数少ない人工芝グラウンドが完成し、部員数や能力の高い選手が増加。現在2年生のサンフレッチェ広島ユース出身MF香取潤は、現在はタイでプレーする村上一樹(元FC岐阜)以来2人目となる広島大出身Jリーガーを目指す有望選手の一人だ。
上泉監督は自身が研究しているヨーロッパのトレーニングメソッドや戦術を導入。2022年には25年ぶりにインカレ出場を果たし、今季も中国大学リーグ1部で9戦全勝と首位を独走している。
深夜までアルバイトで遠征費を稼ぐ部員たち
アイグランは「未来に貢献できる企業でありたい」を企業理念に掲げ、「50年後の日本人に”ありがとう”と言われる仕事」がモットー。重道泰造グループCEOは「地方から全国を目指す心意気に共感した。地方からでもやれるんだということを証明してほしい」と支援を決めた理由を説明した。
今後はユニフォームの胸にアイグランのロゴマークが入るだけでなく、子供サッカー教室も開催予定。上泉監督は「企業との契約で選手に自覚と責任も生まれる。企業の看板を背負うことを学生のうちから経験していることは社会人になってからも活きてくる。学生スポーツの指導者としてスポーツをやっている時だけを見てはいない」とその意義を強調する。
部員たちは練習後に深夜までアルバイト等をして遠征費や備品代を捻出している現状だけに、スポンサーの恩恵は大きいだろう。岡田心平主将は「新しいユニホームで気持ちも上がってくる。試合結果だけでなく、地域での活動も広げたい」と意気込んでいる。
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