「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

3冠経験校の順天堂大と早稲田大、第100回箱根駅伝で上位進出なるか

2023 12/25 06:00鰐淵恭市
順天堂大学の三浦龍司,Ⓒゲッティイメージズ
このエントリーをはてなブックマークに追加

Ⓒゲッティイメージズ

新旧エースに流れを託す順大

かつて学生3大駅伝「3冠」を達成した2校が、今季苦しんでいる。2000年度に3冠に輝いた順大は今年度、出雲と全日本ではともに1桁順位に入れなかった。2010年度の3冠校・早大は全日本で10位に終わり、シード権を逃した。

前回の箱根は順大が5位、早大が6位。第100回箱根駅伝(2024年1月2、3日)では昨季の成績を上回ることができるだろうか。

順天堂大登録選手


学生駅伝3冠は両校のほかに、1990年度の大東大、2016年度の青学大、昨年度の駒大が達成している。順大は2番目の3冠達成校だ。

箱根は前々回が2位、前回が5位。今季は3大駅伝全てで優勝争いに絡むと思われていたが、出雲が10位、全日本が11位と期待を裏切った。

箱根の登録選手でみると、1万メートルの上位10人の平均タイムは28分56秒85で16番目。その10人のタイムを見ると、28分30秒を切るランナーはおらず、逆に29分を超える選手が4人いる。1万メートルのタイムだけみれば、苦しい選手層になっている。

この状況で流れをつくるには、新旧エースの活躍が期待される。1人は4年生の三浦龍司。言わずとしれた、3000メートル障害の五輪、世界選手権入賞者だ。過去2大会はエースの集まる2区を走った。今回も2区を任される可能性が高いだろう。

もう1人は1年生の吉岡大翔。長野・佐久長聖高時代に5000メートルの高校記録を樹立したスーパールーキーだ。今季は新入生ながら、出雲と全日本にも出場し、出雲は1区11位、全日本3区14位だった。結果はイマイチだったが、箱根での期待は大きい。1区を走る可能性は十分ある。

この2人で序盤に勢いをつければ、目標とする5位も見えてくるだろう。

早大は主力以外の奮起あれば上位も

早稲田大登録選手


48年連続93回目の出場となる早大。こちらも1万メートルのタイムだけみれば、順大以上に苦しい状況にある。上位10人の平均タイムは28分59秒07で19位。10人のうち、半分が29分を超えている。

ただ、核となる3人には力がある。チームでただ1人となる1万メートルで27分台の記録を持つ3年生の石塚陽士は、前回の箱根で2区を走った。今回も2区の候補だが、石塚とそのエース区間を争うのが山口智規。ハーフマラソンで1時間1分16秒の早大記録をマークした2年生だ。それまでの早大記録保持者が大迫傑だったことを考えれば、山口の力が分かるだろう。

前回の箱根で山上りの5区を走った3年生の伊藤大志は「外さない」ランナーだ。2年生になってからは、走った3大駅伝は全て区間6位以内と安定している。

さらに、山下りの6区で前回区間3位の北村光もいて、持ちタイム以上の面白さはある。後は、つなぎの区間でどうやって持ちこたえるか。目標とする5位以内に入るためには、主力以外の奮起が必要だ。

【関連記事】
大学3大駅伝の歴代優勝校 出雲、全日本、箱根の3冠達成は5校、駒澤大が史上初の2年連続に挑む
100回目の箱根駅伝に新たな「山の神」は降臨するか?歴代の“神様”と後継者候補
学生駅伝無敵の駒澤大21区間連続トップの足跡、箱根も独走なのか?