第98回大会チームエントリー発表
2022年の第98回箱根駅伝のチームエントリーが12月10日に発表された。1チーム16人で、関東学連選抜を含めると21チームで336人が登録された。
選手の出身高校を調べると、高校駅伝の勢力図の変化が見えてくる。2002年の78回大会から5年ごとに出身高校のランキングを作ってみた。
2022年の第98回箱根駅伝のチームエントリーが12月10日に発表された。1チーム16人で、関東学連選抜を含めると21チームで336人が登録された。
選手の出身高校を調べると、高校駅伝の勢力図の変化が見えてくる。2002年の78回大会から5年ごとに出身高校のランキングを作ってみた。
まずは今度の正月に開かれる98回大会のランキングから見てみる。
トップは東洋大2年の松山和希の母校である学法石川(福島)で11人だった。同校は全国高校駅伝で優勝経験はないものの、2年前は5位、3年前は3位と、全国の強豪校の一つになっており、その時の選手たちが今回のエントリーの中心になっている。
また、東洋大の酒井俊幸監督や、今年の東京五輪男子1万メートル代表の相澤晃の母校でもあることも、毎年多くの選手が関東の大学に進学できる要素の一つになっているだろう。
2番目に多かったのは、全国優勝2度の佐久長聖(長野)で9人。1995年に両角速監督(現東海大監督)が就任してから全国屈指の強豪になり、そこから毎年のように名選手を関東の大学に送り込んでいる。東京五輪男子マラソン6位入賞の大迫傑の母校でもある。4年前の全国高校駅伝優勝しており、その時のメンバーである中谷雄飛は早大、鈴木芽吹は駒大のエースに成長している。
3番目は鳥栖工(佐賀)と東農大二(群馬)で8人。東農大二は東洋大のスーパールーキー石田洸介を輩出しているが、鳥栖工とともに全国優勝経験もなく、過去5年を見ても入賞もしていない。高校の結果というだけでなく、伸びしろの多い選手を育てるのが上手ということかもしれない。
20回前となる78回大会から5年ごとのランキングを並べてみた。
78回大会は上位から全国優勝6度の報徳学園、8度の西脇工(ともに兵庫)、5度の大牟田(福岡)と、オールドファンにはたまらない学校が並ぶ。逆に言えば、この時期まではいわゆる古豪がまだ強かった。
懐かしいのは4位の土岐商(岐阜)。このころ、駒大のエースでスター選手だった揖斐祐治の母校であったことが影響しているかもしれない。
この5年後の83回大会ではそこまで大きな勢力図の変化は見られない。トップは上野工(三重、現伊賀白鳳)の10人。全国優勝はないものの、上位争いの常連校である。2位には兵庫の雄の西脇工、報徳学園が並んでいる。報徳学園は高校駅伝での低迷と付随するように、これ以降、箱根を走る選手が減少していくことになる。
88回大会でも名門の西脇工出身が多く、9人でトップである。同数で並んだのが佐久長聖。そして、3番目には8人で世羅(広島)。世羅は21世紀に入り、外国人留学生を擁して古豪復活を果たしたことがこの数字からもうかがえる。
5回前の93回大会は西脇工が8人で最も多かった。かつて、高校駅伝の主役と言えば西脇工だったが、最後の全国優勝は2002年。それでも、毎年数多くの選手を箱根に送り込んでいたことがわかる。
しかし、最初に紹介した今回の98回大会の上位にはその名はない。今回のエントリーで西脇工出身者は3人だけだった。栄枯盛衰という言葉は、名門中の名門にも当てはまるのである。
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