「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

リヴァプールCL優勝に現実味 中盤安定で10年ぶりCL4強

2018 4/24 17:00SPAIA編集部
リヴァプール
このエントリーをはてなブックマークに追加

10シーズンぶりの快挙に沸き立つ

4月10日のUEFAチャンピオンズリーグ準々決勝でマンチェスター・シティを下し、実に10シーズンぶりにベスト4進出を果たしたリヴァプール。長くタイトルから遠ざかっていたが今季は一味違う。

3シーズン目となったクロップ体制の中、大型補強も敢行。チームを率いていたフィリペ・コウチーニョがシーズン途中に抜けても勢いは衰えず、新戦力モハメド・サラーがリーグ得点ランキング首位を独走するなど、良い結果をもたらしている。

リヴァプールの陣容は同じくベスト4に残ったレアル・マドリーやバイエルンと比べると層が厚いとは言えない。しかしこの若いチームには、たとえ欠場者がいても乗り切れるだけの勢いがあるのだ。

ビッグネームを失い続けたチーム

ここ数シーズンのリヴァプールは、毎シーズン主軸選手を失い続けてきた。
ルイス・スアレス、ラヒーム・スターリングらが移籍し、クラブの象徴だったスティーブン・ジェラードが引退。今シーズンもチームの大黒柱として活躍していたコウチーニョがバルセロナへと移籍した。

毎シーズン中心選手が出ていくためチームの形が見えないリヴァプール。クラブOBからは、いまのチームにはふさわしいビッグネームがいないとの指摘を受け続けてきた。

欧州屈指の攻撃陣!けん引するのはエジプトのエース

2017-18シーズンのリヴァプールは一味違う。クロップの指揮のもとチームは激しい守備と切れ味鋭い攻撃というスタイルをようやく身に着けた。
特に攻撃陣の鋭さはリーグトップクラス。その先頭に立つのがローマからやってきたエジプト代表のサラーだ。31得点と大爆発し、プレミアリーグではハリー・ケインやセルヒオ・アグエロをおさえて得点ランキングトップを独走している。

ロベルト・フィルミーノ、サディオ・マネとともに形成する3トップは欧州屈指の破壊力と評される。その中でも得点、アシストとも抜群のパフォーマンスを見せるサラーはワールドクラスの選手と称賛され、レアル・マドリーやバルセロナが関心を示している。
※2018/4/23時点

守備にも大型補強、中盤も盤石でチームは安定。目指すは奇跡の再現

守備陣にもビッグネームがやってきた。ディフェンダーとして最高額の移籍金でサウサンプトンから加入したフィルジル・ファン・ダイクだ。
かねてよりリヴァプール移籍希望を公言していたファン・ダイク。移籍をめぐってはクラブ間でトラブルが生じた過去もあるが2018年1月についにチームに加入した。屈強なフィジカルを武器に、デヤン・ロブレンらとともに最終ラインをより強固なものとしている。

今シーズンのリヴァプールの最終ラインは年齢層が比較的若い。センターバックのロブレンは28歳、ファン・ダイクは26歳だ。そしてサイドバックはアルベルト・モレノが25歳、アンドリュー・ロバートソンは24歳、右サイドのトレント・アーノルドにいたっては若干19歳だ。
若さゆえの守備のタスクに課題が残るが、持ち味の果敢な攻撃参加は攻めで重要なピースとなっている。

中盤の安定化でリヴァプールは形を見つけた

チームの核となる中盤は3選手がプレーを締める。キャプテンのジョーダン・ヘンダーソン、副主将でフィールドプレーヤー最年長のジェームズ・ミルナー、24歳ながら円熟味のあるプレーを見せるエムレ・ジャンだ。
コウチーニョが見せていたような中盤から攻め上がり強烈なシュートを見舞うという形は失ったが、いずれの選手も球際の寄せは激しく、センターラインを割らせないプレーがリヴァプールの基盤となっている。

またMFにはチェンバレンやワイナルドゥム、FWにはイングスなど違いを生み出せる選手が控えにいる。クロップはターンオーバーや試合を打開する交代策も持ち合わせているのだ。
クロップ体制3シーズン目にしてチームの形が出来上がりつつあるリヴァプール。プレミアで首位を独走するシティ相手に快勝したことで、CL優勝も夢ではないとの期待が高まっている。

準決勝は勢いに乗るチーム同士の戦いとなった。相手はバルセロナに大逆転を果たしたローマだ。果たしてクロップと選手たちはイスタンブールの奇跡以来のビッグイヤー獲得を果たせるだろうか。