「ブライトンの顔」三笘薫は開幕戦フル出場で先制点アシスト
欧州サッカーは主要リーグの新シーズンが8月11日に開幕した。活躍が期待される日本代表の選手で注目はイングランド・プレミアリーグで2季目の挑戦となる三笘薫だろう。
昨季は「三笘の1ミリ」で話題を呼んだワールドカップ(W杯)カタール大会を挟んで左ウイングとして一気にブレークし、カップ戦と合わせて公式戦通算10得点をマーク。リーグ戦7得点は香川真司と岡崎慎司を抜いて日本人のシーズン最多記録を更新し、得意のドリブル突破とスピードで積極果敢に仕掛けるスタイルでブライトンの顔にも成長した。
迎えたルートンとの開幕戦ではスタメンフル出場し、前半36分に左サイドからのクロスでソリー・マーチの先制点をアシスト。4-1の勝利に貢献した。
チームは昨季の6位躍進で今季の欧州リーグ出場権を獲得しており、26歳のアタッカーにとって新たなステージでの戦いが始まった。
スペインの久保建英は2桁得点と欧州CLでも期待大
スペイン1部リーグで5季目を迎えるレアル・ソシエダの久保建英は昨季日本人最多記録を更新する9得点をマークし、チームを4位に押し上げる躍進のシーズンとなった。
名門レアル・マドリードから期限付き移籍を繰り返し、苦労を重ねる時期も長かったが、昨季は「完璧な家」と表現するクラブで覚醒してチームMVPにも選ばれた。22歳のアタッカーは今季、スペインリーグ日本選手初の「2桁得点」と自身初の欧州チャンピオンズリーグ(CL)での活躍にも期待が高まる。
元スペイン代表MFでチームメートだったダビド・シルバの現役引退は痛手で、久保もSNSで「グリーンに魔法をかけてくれてありがとう。個人的には、あなたの側で多くのことを学び、サッカー選手として成長することができました」とコメントしたが、新シーズンは攻撃の主軸としてさらなる重責を背負う。
ジローナとの開幕戦では、前半5分にムニョスのクロスを得意の左足で先制ゴール。試合は引き分けだったが、個人としては2季連続の開幕弾で最高のスタートを切った。
ドイツはW杯2得点の堂安律が飛躍期す
ドイツ1部リーグでフライブルクの堂安律はW杯カタール大会で強豪のドイツ、スペインから2得点して一躍名を上げた。かねて「日本人史上、最高の選手になること」を目標に掲げており、今季は得点に絡むプレーで、さらなる飛躍を期している。
2季連続でシュツットガルトの1部残留に貢献した主将の遠藤航はリーグ屈指のボール奪取力が健在で、伊藤洋輝とともに今季も攻守に欠かせない存在になるだろう。
2024年1月に40歳となるアイントラハト・フランクフルトの長谷部誠は引退後に指導者としてクラブに残る契約期間も2027年から2028年まで1年延びた。10シーズン目となる今季も元日本代表主将の攻守にわたる活躍が期待される。ブンデスリーガは18日に開幕する。
鎌田大地はセリエAの新天地ラツィオで挑戦
ドイツ1部リーグのアイントラハト・フランクフルトで主軸として活躍した27歳の鎌田大地は、イタリア1部リーグ(セリエA)でローマを本拠地とする昨季2位のラツィオに加入。ACミランへの移籍で一時は条件面でも合意していたが、強化方針が変わったことで他クラブと交渉し、新天地で新たな挑戦となる。
アイントラハト・フランクフルト時代は欧州リーグ優勝にも貢献。欧州CLで3ゴールを挙げた。今季はラツィオで欧州CLに再挑戦する。20日の開幕戦はレッチェと戦う。
フランス1部の伊東純也は右サイドで存在感
フランス1部リーグでスタッド・ランスの伊東純也は右サイドとして持ち前のスピードと高精度のクロスで存在感を発揮。今季も攻撃の中心を担う役割が求められる。
マルセイユとの開幕戦では前半10分に先制ゴール。ランスは1-2で逆転負けしたが、チームの今季初ゴールを記録する好スタートを切った。
モナコの南野拓実はイングランド・プレミアリーグのリバプールから加入した昨季は18試合で1得点と不完全燃焼だった。2季目の今季は逆襲を誓う。
古橋亨梧はスコットランド得点王で3冠達成
スコットランド・プレミアリーグでは人気クラブのセルティックの古橋亨梧は27ゴールで得点王に輝き、加入2季目で不動のエースに成長した。
W杯カタール大会の日本代表には選ばれなかったが、36試合に出場して2連覇の原動力に。リーグ最優秀選手にも輝いた。リーグ戦と2つのカップ戦で合わせて34ゴールを決め、全て優勝する「3冠」も達成した。
今季は5日の開幕戦に続いて13日の第2節でも2戦連続ゴールと相変わらずの決定力をアピール。前田大然、旗手怜央ら日本選手とさらなる飛躍が期待できそうだ。
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