サッカーのフェイントってそもそもどんな種類があるの?
まず、サッカーのフェイントの技は何種類くらいあるのだろうか。よく知られているフェイントを3つ紹介しよう。
はじめにボディフェイント。ボールを動かさない体の動きのみで行う技で、その中にシザースというものがある。ボールに足を触れさせず腿も上げずボールの横を高速でまたいで相手を惑わし、相手の重心が左右にぶれたところを抜き去る。
次にメイア・ルア。縦にボールを軽く蹴り出してそのボールと反対側から相手の外側を半円を描くように回ってダッシュし相手よりも早くボールに追いつくという技。
そして動きが派手でわかりやすいのが、ルーレット。相手が勢いよくマークしてきた際に足の裏でボールを止め、スピードをつけながら体を半回転させて後ろを向き、ボールとDFの間に自分の体を入れたあと、ボールを引き寄せながらもう半回転して抜き去る。
ボディフェイントが上手い代表的な選手2人!
シザースを得意とする代表的な選手はやはりブラジルのロナウド。90年代からゼロ年代を代表するFWの選手だ。FIFAワールドカップに4度出場、フランス大会ではMVPにも選ばれた。FCバルセロナ時代のコンポステーラ戦では、次々とDFをかわしながら60メートルもドリブルし続け、そのままゴールを決めるという離れ業はナイキ社のCMにも使用された。
そしてもう一人、忘れてはいけないのが世界最高峰と言われるサッカー選手であるリオネル・メッシのボディフェイント。彼からボールを奪うことは至難の業だ。シザースに限らず緩急のあるボディフェイントを駆使しながら精確なボール制御を行い、次々と相手DFを抜き去る。
「半月」という意味のフェイント、メイア・ルアが得意な選手2人!
DFのレベルが上がるトップクラスの試合となるとなかなかメイア・ルアを上手く使える選手を見られない。そんな中、ロナウジーニョや三都主アレクサンドロがこの技を得意としている。
ロナウジーニョはブラジル人サッカー選手。FIFA最優秀選手賞やFIFPro年間最優秀選手賞、UEFA年間最優秀選手賞などを受賞し、様々な試合でゴールを決めるとともに、多くのアシストもこなしてきた。彼の加速力、敏捷性、ボールコントロール、ドリブル能力は高く称賛されていて、相手選手との1対1においてもフェイントを駆使して彼一人で突破することができるのだ。彼はメイア・ルア以外にエラシコが得意なことでも有名だ。
三都主アレクサンドロはブラジル出身で2001年に日本国籍を取得した元日本代表のサッカー選手だ。1999年にJリーグ最優秀選手賞、Jリーグベストイレブン、アジアカップウィナーズカップMVPを獲得している。2015年からはブラジルに戻り、マリンガFCやグレミオ・マリンガでプレイした。彼の精度の高いクロスによっていくつものゴールが生まれ、精確なボールコントロールで相手DFを抜き去るプレイスタイルが魅力の選手だ。
ルーレットが得意なサッカー選手の代表格はもちろんジダン!
ルーレットを得意とするのは、言わずと知れたジダンだ。ジダンはフランスの元サッカー選手で、1988年から2006年までMFとして活躍した。FIFA最優秀選手賞、バロンドール、ゴールデンボール賞などを受賞し、数々の功績を挙げている。
彼のトレードマークとなっている技がルーレット。この技は別名マルセイユ・ルーレットとも言われるが、それはジダンがマルセイユ出身であることが由来。引退後はスポーツディレクターなどを務めた後、2016年1月からレアル・マドリードの監督となった。
現役の日本人選手でフェイントが上手いのは誰だろう?
現役の日本人サッカー選手のフェイントを見たい!という方には、乾貴士を紹介しよう。乾貴士は1988年、滋賀県生まれ。ボールに対する高い感度を見せ、シザースやダブルタッチ等の一般的なフェイントの他、「オオサカフリック」「イヌイダンス」などを使いこなす。
2015年にリーガ・エスパニョーラのSDバイエルへ完全移籍し、9月23日に行われたレバンテ戦ではMFとして先発出場。彼はこのスペインデビュー戦で世界を驚かせた。パスを受けた乾はフェイントで相手DFから先手を奪い、スライディングタックルで対抗してきた相手から切り返しでボールを守る。立ち上がり食い下がる相手をものともせずその股の間を抜いて駆け上がり、右足のアウトサイドでボールを中央へ折り返すという素晴らしいアシストを見せたのだ。
まとめ
ゴールに至るまでのドリブルで選手達がどんなフェイントをかけ、相手をどう抜き去っているのかわかるようになれば、それこそ息つく間もない試合観戦となる。フェイントが上手い選手にも注目すればサッカー観戦がますます楽しいものになるだろう。