4位・山形vs5位・岡山、引き分けなら山形が決勝進出
2024年のJ1昇格プレーオフ準決勝が12月1日に行われる。J2リーグ3位だったV・ファーレン長崎がホームのPEACE STADIUM Connected by SoftBankで6位ベガルタ仙台と、4位モンテディオ山形はホーム・NDソフトスタジアム山形で5位ファジアーノ岡山と対戦。勝者が12月7日の決勝に進出する。
試合は延長戦なしの90分間で、引き分けになった場合はリーグ戦上位クラブが勝者となる。決勝ではビデオアシスタントレフェリー(VAR)を導入することも決定している。
9連勝フィニッシュのリーグ戦後も順調
ホームに岡山を迎え撃つ山形・渡邉晋監督は29日の会見で「山形は冬の気候になってきたが、熱気を持って良い練習ができている。何としても2試合勝って昇格したい」と気合十分。「過去2回と比較するのは難しいが、良い状態にあるのは間違いない」と手応えをにじませる。
山形は2022年のJ1参入プレーオフ、2023年のJ1昇格プレーオフに出場したが、いずれも敗退。2022年はコーチ、2023年は監督として出場した渡邉晋監督が手応えを口にしたのは、今季のJ2リーグで9連勝フィニッシュしたチームの勢いを感じているからだろう。
8月31日の横浜FCに敗れた第29節時点で9位だった山形は、そこから怒涛の快進撃。最終的には20勝6分け12敗の勝ち点66で4位にくい込み、プレーオフ初戦をホームで戦えることになった。
11月10日のリーグ最終戦を終えてからも、すこぶる順調。「少し休暇を取って心身ともにリフレッシュし、練習試合を組んで週末に試合をするリズムを崩さずに準備できた。岡山さんの情報を入れながらピッチで落とし込んでいった」と岡山対策も万全だ。
2022年のJ1参入プレーオフ初戦では岡山に3-0で快勝したが、南秀仁は「2年前のことは関係ない。開幕からやってきたことを披露する場。自分たちのサッカーをできればいい」と意に介さない。渡邉監督も「引き分けは全く考えていない。目の前のゲームに勝つことに集中する。9つ勝った延長にすぎない」と“10連勝”を狙う構えだ。
山形は2009年から3シーズンと2015年の計4シーズン、J1で戦った。プレーオフ準決勝、決勝と勝ってリーグ戦から11連勝すれば、10年ぶりのJ1復帰が決まる。南秀仁は「チーム全員でここまで来れたので、何としても昇格を勝ち取りたい」と静かな口調に闘志を秘めた。
初J1を狙う岡山、木山隆之監督は古巣との対決
一方、岡山はプレーオフに進出した4チームの中で唯一のJ1未経験。J2で3位だった2022年もプレーオフで山形に敗れた。今年は29失点の堅守で5位に入り、プレーオフ進出。山形へのリベンジを果たして初のJ1昇格を狙う。
2022年のプレーオフでも指揮を執っていた木山隆之監督は「2年前のことを言われるが、それからもリーグ戦でも対戦しているし、お互いにサッカーのやり方は把握している。大切なのは自分たちの得意なプレーをしっかりと集中して出し切ること」と自らに言い聞かせるように話した。
2017年から3年間は山形で指揮を執り、今回は古巣との対決でもある。「山形では監督として大切に扱っていただいた思い出もある。勝負の世界なのでどちらかが次に進むが、山形のファンにも岡山のサッカーを見せられるように全力で挑みたい」と両チームで指揮を執った監督にしか分からない胸の内を明かした。
昨季まで清水エスパルスでプレーし、今季から岡山に加入した竹内涼も「岡山の皆さんは熱いし、温かい。試合でもプライベートでもそれを感じる。最高のサポーターとともにJ1に上がりたい」と意気込む。
負ければ終わりのプレーオフ。「晴れの国」岡山から約900キロ離れた冬の山形で熱い戦いを見せるか。
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