YouTubeやイベント等でクラブの魅力を発信
J1ヴィッセル神戸は7日、2022シーズン限りで現役を引退した槙野智章氏(35)がヴィッセル神戸のエバンジェリストに就任すると発表した。
槙野氏は今後、エバンジェリストとしてホームゲームのゲスト出演やクラブのYouTube企画など各種イベントへの出演を通じて、ヴィッセル神戸の魅力を発信していくという。
クラブの公式HPに掲載されている会見の一問一答によると、「川崎フロンターレが商店街を歩いて、商店街の人達と選手が関わっているようなことを見て、神戸もやったほうがいいなと思いました。実際に僕も昨年住んでみて思いましたが、あまりチームや選手の顔を認識していない方が多いという印象を受けたので、街に出向いて選手と交流する機会をもう少し増やしていかなければいけないと思います」と語っている。
阪神タイガースが強い土地柄
神戸は7日の第12節でも大迫勇也の2得点などで横浜FCに3-0で快勝。8勝2分2敗で首位を快走しているが、街の盛り上がりはいまひとつだ。
Jリーグが30年の節目を迎えたとはいえ、1935年12月に創設された阪神タイガースが圧倒的人気を誇るのは、親から子、子から孫へ脈々と受け継がれてきた歴史によるところが大きい。阪神の勝敗には一喜一憂しても、ヴィッセル神戸の首位快走に関心を示す市民は少数派なのが現実だ。
東西のサッカー熱の違いもあるが、槙野氏が10年間プレーした浦和などに比べると、クラブの地域への浸透度は相当な差があるだろう。それを肌で感じたからこそ、人気選手として経験してきたことを惜しみなくクラブに注入し、自身のプレー同様に体を張っていく覚悟を示した。
イニエスタの退団が取り沙汰されているが、ほかにも日本代表クラスが揃っており、タレントは豊富。まだまだ知られていない選手の素顔やキャラクターについて発信し、親しみを感じてもらうことは長い目で見れば極めて重要だ。
「実りの秋」に向け、ミナト神戸にビッグウェーブを起こせるか。槙野氏が果たすべき役割は現役時代以上に大きいかも知れない。
【関連記事】
・ヴィッセル神戸のJリーグ年度別成績、悲願の初優勝へ首位快走
・J1昇格組は開幕5試合で勝ち点5なら残留の法則、アルビレックス新潟と横浜FCの命運は?
・ヴィッセル神戸・武藤嘉紀が日本代表復帰に意欲「結果を出し続けてチャンスを待つ」