前半戦で全試合フルタイム出場はGK7人、FP8人
2022年J2リーグは早くも半数を越える試合数を消化した。長丁場のハードな戦いをものともせず、前半戦(第1~21節)で全試合フルタイム出場を達成した選手15人を紹介する。
J2で前半戦(21試合)全試合フルタイム出場を達成した選手は15人。うちGKは小島亨介(アルビレックス新潟)、後藤雅明(モンテディオ山形)、新井章太(ジェフユナイテッド千葉)、河田晃兵(ヴァンフォーレ甲府)、白井裕人(ツエーゲン金沢)、関憲太郎(レノファ山口FC)、櫛引政敏(ザスパクサツ群馬)の7人だ。
FP(フィールドプレーヤー)はヨルディ・バイス(ファジアーノ岡山)、山崎浩介(モンテディオ山形)、菅田真啓(ロアッソ熊本)、河原創(ロアッソ熊本)、須貝英大(ヴァンフォーレ甲府)、浦上仁騎(ヴァンフォーレ甲府)、ペレイラ(大分トリニータ)、庄司朋乃也(ツエーゲン金沢)の8人。J1よりもFPの割合が多いが、J1と同じくそのほとんどをDFが占めている。

登録ポジションの内訳はDF6人、MF2人、FWは0
J1で前半戦フルタイム出場を達成したのは、GKとCBの選手を除くと山根視来(川崎フロンターレ)と前寛之(アビスパ福岡)のみ。J2ではそれ以上に、ポジションの偏りが顕著だ。
8人のFPのうちなんと7人が、今季CBを中心にプレーする選手。ペレイラはMF登録だが、主戦場はCBだ。
CB以外でプレーしているのは、アンカーの位置で素晴らしい活躍をみせている河原創(ロアッソ熊本)のみ。J3から復帰したばかりのロアッソ熊本が、上位争いに加われている大きな要因となっている。
熊本県出身で、ロアッソ熊本ジュニアユースや大津高校など熊本を中心に成長を遂げた河原は、豊富な運動量と危機察知能力をベースにチーム戦術の根幹を成している。J1のMFで唯一前半戦フルタイム出場した前寛之と同様に「チームの心臓」であるため外せないのだろう。
チームごとの方針が見えてくる
前半戦フルタイム出場した選手は22チームで15人と、1チーム平均1人に満たない。しかし複数人いるチームもあり、チームの方針が見えてくる。
最も多いのはヴァンフォーレ甲府(3人)。3-4-2-1を採用しており、GK(河田晃兵)とCBの中央(浦上仁騎)と右(須貝英大)がフルタイム出場を続けている。
またモンテディオ山形とロアッソ熊本、ツエーゲン金沢は2人ずつ。モンテディオ山形は4-4-2を採用し、GK(後藤雅明)と右のCB(山崎浩介)がフルタイム出場。ロアッソ熊本は3-3-1-3を採用し、CBの中央(菅田真啓)とDH(河原創)がフルタイム出場。ツエーゲン金沢は4-4-2を採用し、GK(白井裕人)と左のCB(庄司朋乃也)がフルタイム出場している。
いずれのクラブもGKとCBを中心に、守備陣を安定させたいという意志が伝わってくる。
一方で、前半戦フルタイム出場の選手が0のクラブは12と過半数を超える。J1以上にリーグ戦の試合数が多いJ2において、フルタイム出場を続けることの難しさがうかがえる。
なお昨シーズン、全試合フルタイム出場を達成したのは4人のみ。GKとCBが3人で、MFで唯一達成したのはギラヴァンツ北九州に所属していた髙橋大悟(現清水エスパルス)だった。
またそのうちGKの福井光輝(FC町田ゼルビア)を除き、いずれも今季は新天地に移っている。タフネスさを持ち計算の立つ選手が欲しいと考えるクラブは多いのだろう。
前半戦フルタイム出場を続けてきた15人の選手のうち何人が、後半戦もフルタイム出場できるだろうか。昇格争いや残留争いはもちろん、さまざまな楽しみ方があるJ2から後半戦も目が離せない。
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