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Jリーグで背番号12の選手がほとんどいない理由、たった2人の「12」は?

2022 6/17 06:00椎葉洋平
浦和レッズの鈴木彩艶,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

12番はサポーターの番号

サッカー選手のユニフォームには、背中の位置に「背番号」が書かれている。

海外でプレーする選手でもJリーグでプレーする選手であっても同じように書かれているが、1つ違いがある。海外では多くのクラブで12番の選手がいるのに、Jリーグではほとんどいないのだ。

日本では、サポーターはピッチ上の11選手を支える「12番目の選手」と呼ばれる。そして多くのクラブで、12番はサポーターの番号とされている。そのためにJリーグでは、12番をつける選手が非常に少ないのだ。

その一方で、サポーターが着ているユニフォームには「12」と記載されていることが多い。これは購入する際に選手名を指定しなければ、多くの場合サポーターの番号である12番と記載されるためだ。

ただしあくまでも日本の慣習であり、海外では12番を背負う選手は多い。例えばワールドカップでは登録選手に1から順に背番号をつけねばならないため、必ず12番の選手が存在している。控えのGKが背負うことが多い12番だが、これは背番号の歴史が関係している。

背番号の歴史

サッカーにおいて背番号が初めて導入されたのは、1928年のイングランドリーグのチェルシー対アーセナルだったとされる。最大の理由は選手を見分けやすくするためで、どのポジションの選手か理解できるようにする意味もあった。

そのため、当時はポジションによって固定制。「Vフォーメーション」と呼ばれる、非常に人気のあった2-3-5のフォーメーションに当てはめ、以下のように決まっていた。

1番=ゴールキーパー(GK)
2番=ライトフルバック(RB)
3番=レフトフルバック(LB)
4番=ライトハーフ(RH)
5番=センターハーフ(CH)
6番=レフトハーフ(LH)
7番=ライトウイング(RW)
8番=ライトインサイドフォワード(RI)
9番=センターフォワード(CF)
10番=レフトインサイドフォワード(LI)
11番=レフトウイング(LW)

ポジションで背番号が決まっていたため、起用されるポジションが変われば背番号も変わっていた。DFがわずか2人とは隔世の感だが、その後フォーメーションの種類が多くなりポジションでの固定はなくなったものの、当時の名残で現在でも1番はGK、2~5番はDF、6~8番はMF、9~11番はFWであることが多い。ちなみにJリーグでは、1番はゴールキーパーのみ、2~11番はフィールドプレーヤーのみしかつけられないことになっている。

また現在でも、主力選手は1番~11番を背負うことが多い。順番にいくと次の番号である12番は控えのGKとなるのだ。

2022シーズンのJ1で12番を背負う2人の選手

Jリーグでは12番を背負う選手は少ないが、今季のJ1リーグでは2人の選手が背番号12をつけている。

浦和レッズのGK鈴木彩艶と、サガン鳥栖のGK深谷圭佑だ。鈴木彩艶はU-21日本代表に選出され、U-23アジアカップにも招集されている有望株。深谷圭佑は神奈川県社会人サッカーリーグ1部の品川CC横浜から、J1のサガン鳥栖へと移籍した異色の選手。

両チームでは以前から12番を選手がつけており、浦和レッズでは元日本代表の黒部光昭や東京ヴェルディの監督を務めた堀孝史ら、サガン鳥栖では6年間にわたって主力を務めた佐藤陽彦や、GKとして長年活躍した赤星拓らが背負っていた。

ちなみにサガン鳥栖では、17番がサポーターの番号となっている。これは前身のPJMフューチャーズを鳥栖市に誘致した坂田道孝氏の命日である1月7日が由来だ。背番号とはただの数字ではなく、サッカーの、クラブの歴史が刻まれたものだと言えるだろう。

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