「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

セレッソ大阪が乾貴士と契約解除、森島寛晃社長は「残念」繰り返す

2022 6/9 12:42SPAIA編集部
セレッソ大阪MF乾貴士,Ⓒゲッティイメージズ
このエントリーをはてなブックマークに追加

Ⓒゲッティイメージズ

規律乱す行動でクラブから厳罰受け練習不参加

Jリーグのセレッソ大阪はMF乾貴士選手(34)と双方合意のもと、2022年6月9日付で契約を解除すると発表した。

乾は滋賀県出身で、野洲高2年時に全国選手権で優勝。卒業後に横浜F・マリノス入りし、2008年からセレッソ大阪でプレーした。2011年からドイツやスペインなどヨーロッパで活躍。日本代表としても2018年のロシアワールドカップに出場するなど実績を残し、2021年8月から古巣セレッソ大阪に復帰した。

当初は背番号23だったが、今季からクラブのエースナンバー「8」に変更。並々ならぬ意欲を見せていたが、4月5日の柏戦で途中交代を命じられると観客が見守る中で暴言を吐き、試合後もチームの規律を乱す行動を取ったとされている。クラブから計8試合の公式戦出場停止と5月14日まで全体練習参加禁止という厳罰を受けたが、その後も練習に参加していなかった。

乾はクラブを通じて下記のコメントを発表した。

「ファン・サポーターの皆さん、突然のニュースで驚かせて申し訳ありません。今日に至るまで色々なことを考えてきましたが、一度セレッソとの関係をリセットすることがお互いにとっての良い選択という結論になりました。当初の自分の行動で、皆さんにご迷惑をおかけした点については反省してますし、関係する方々にも謝罪もさせていただきました。

クラブからの処分の間にも様々な意見反応をいただく中で、なかなか練習に復帰できる状況が整わない日々が続いてしまいました。この期間色々なことを考えましたが、大好きなサッカーを続けていくために、今日の結論に至りました。

ファン・サポーターの皆さん、これまでともに戦った選手・スタッフ、セレッソに関わる全ての人たちには感謝の思いでいっぱいです。僕はセレッソ大阪の選手ではなくなりますが、セレッソの選手としてこれまで全力でプレーしてきました。これからもセレッソ大阪を応援しています、これまでありがとうございました」

森島寛晃社長は苦渋の決断

また、森島寛晃社長は同日、急遽オンライン会見を開き、経緯を説明。「話し合いを重ねて和解はしたが、チーム合流については時間が空いたのもあるし、戻るという判断には至らなかった。クラブとしても、やれるという思いにさせてあげられなかったのもあるかなと思います」と無念の思いを口にした。

会見中は「残念」という言葉を何度も使って胸中を吐露。乾のクラブへの貢献には感謝の気持ちを表明し、苦渋の決断だったことを明かした。

さらに「本人もまだまだ活躍するという思いは持っている。サッカーが大好きな選手なので今後の活躍を楽しみにしています」とエール。乾は今後はフリーの立場で移籍先を探すことになるという。

セレッソ大阪は3連勝してJ1リーグ5位まで順位を上げているが、背番号8は現役時代の森島社長から香川真司、清武弘嗣、柿谷曜一朗ら歴代のエースが受け継いできた重みのある番号。それだけクラブも乾に期待を寄せていたことの証明だけに、残念な結末となった。

【関連記事】
逆襲期すJ1セレッソ大阪の補強から垣間見えるフロントの思惑
2022シーズンJ1セレッソ大阪のポジション別キーマンは誰だ?
セレッソ大阪の17歳・北野颯太は何が凄いのか?出身やプレースタイルは?