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J1ヴィッセル神戸ロティーナ新監督、オファーに即断「迷いなかった」

2022 4/8 11:20SPAIA編集部
ヴィッセル神戸のロティーナ新監督,ⒸVISSEL KOBE
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ⒸVISSEL KOBE

東京ヴェルディ、セレッソ大阪、清水エスパルスで監督を歴任

J1ヴィッセル神戸のミゲル・アンヘル・ロティーナ新監督(64)が8日、ホームのノエビアスタジアム神戸で会見に出席した。

スペイン出身のロティーナ氏は、2017年から東京ヴェルディ、2019年からセレッソ大阪、2021年は清水エスパルスで監督を歴任。セレッソ時代は守備を重視した堅実なサッカーで2019年にリーグ戦5位、翌2020年は4位に導いた実績もある。Jリーグを知り尽くしており、同じスペイン人のMFイニエスタやFWボージャンらとのコミュニケーションにも不安はないことからクラブが招聘し、本人も快諾した。

神戸はリーグ戦開幕から7戦未勝利と結果を出せなかったため、3月20日に三浦淳寛監督(47)を解任。ヤングプレイヤーデベロップメントコーチだったリュイス・プラナグマ・ラモス氏が暫定的に指揮を執ったものの、リーグ戦再開後の京都サンガ戦、FC東京戦にも連敗し、現在9戦未勝利(4分け5敗)で17位に低迷している。

厳しい状況下での監督就任だが、ロティーナ新監督は「(清水の監督退任後は)休息を取ろうと考えていたので、他のクラブからもオファーが届いたがNOと答えた。ただ、私は日本を尊敬し、気に入っている。(神戸のオファーは)サッカーが与えてくれたプレゼントだと感じた。迷いもなくOKの返事を出した」と説明。「偉大なクラブ、偉大な選手たちと仕事をできるのは喜ばしい。自分の中ではワクワク感がある」と胸中を明かした。

チームの現状については「様々な要因が重なっているが、一番はタイトなスケジュールではないかと考えている。連戦が続く中でケガ人が出たことが一番大きな要因かも知れない」とACL出場によるハードな日程を原因に挙げた。

ACLのグループリーグは4月16日から15日間で6試合が組まれているが「戦術的な意味でのプレシーズンと考えてチームを構築していきたい」と試合を通じてチームに戦術を浸透させていく構えだ。

10日の古巣セレッソ大阪戦で初采配

神戸の象徴的な存在でもあるイニエスタをどう活かすかは、監督として手腕の見せどころでもあるだろう。ロティーナ新監督は「スペインでは敵として苦しめられてきたが、尊敬の念をずっと持ってきた。スペインサッカーに多くのものをもたらした人物。最大限のパフォーマンスを引き出さないといけない。プレーしやすい環境を整えていく」と最大限の敬意を表した。

初采配は次戦の10日セレッソ大阪戦(ノエビアスタジアム神戸)。いきなり古巣との対決となる。「セレッソは2年間いて素晴らしい経験ができた。チーム、ファンともいい関係を築いたので特別な試合になるが、自分たちにとっても大切な試合なのでいい準備をしたい」と静かに闘志を燃やす。

トップチームスタッフのヘッドコーチにイヴァン・パランコ氏(42)、フィジカルコーチにトニ・ヒル・プエルト氏(42)が加わるロティーナ新体制。暫定監督だったリュイス氏は再びヤングプレイヤーデベロップメントコーチとしてチーム強化にあたる。低迷する神戸がJ2降格圏を脱出して浮上できるか、新監督の責任は重大だ。

また、東京V監督時代のパワハラ行為により、JリーグからS級指導者ライセンスの1年間資格停止処分を受けている永井秀樹スポーツダイレクターも会見に出席。冒頭で「私事でファン、サポーターからたくさんのご意見を頂戴し、世間を騒がせてしまったことをお詫びします。反省、改善していき、神戸のために全身全霊をかけて取り組んでいきます」と述べた。

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