北海道コンサドーレ札幌はミズノ、FC東京はニューバランスへ変更
Jリーグが開幕し、各ゲームで2021年モデルのユニフォームがお披露目されている。そこでちょっと気になるのが、J1クラブとユニフォームのサプライヤー契約を結ぶスポーツブランドの勢力図。今年はどこのメーカーのユニフォームが多いのか、昔からの変遷などをランキング形式で紹介しよう。
まず21年のランキングは、下の表の通り。1位に輝いたのは、プーマの4クラブ。王者の川崎フロンターレは、11年からプーマ製ユニフォームを採用し、すっかり定着した。
2位は、3チームずつのミズノとナイキ。北海道コンサドーレ札幌は、06~20年の15年間ともに歩んだメーカー、カッパと別れを告げ、ミズノ製に変更した。ナイキ勢は鹿島アントラーズ、浦和レッズ、サンフレッチェ広島の「オリジナル10」の3つが揃う。
世界的スポーツブランドのアディダスは意外と少なく、ベガルタ仙台と横浜F・マリノスのみ。また、サッカー界では新興勢力といえるヨネックスとニューバランスが、2クラブずつと契約を交わしており、今後も動向が注目される。なお、FC東京は今季よりニューバランス製のユニフォームをまとう。
7位の4ブランドのなかで知る人ぞ知るブランドは、横浜FCが着用するサッカージャンキー。メインロゴにフレンチブルドッグのキャラクターをあしらい、タウンユース向けアパレル商品も多数扱う。
柏がヨネックス製に新調してJ1初Vを飾った2011年
続いて、10年前のサプライヤー契約数のランキングをピックアップ。11年は、プーマとナイキが4チームずつで2大勢力だった。
この8チームの中で目を引くのがF・マリノス。トリコロールカラーのアディダス製ユニフォームの印象が強いが、08~11年はナイキと契約していたのだ。また、ナイキは02年に鹿島アントラーズ、04年に浦和レッズ、11年にサンフレッチェ広島と契約クラブを徐々に増やし、勢力を拡大した。
3位は、国内の老舗ブランドのアシックスとミズノ。アシックスは本社を神戸に構えていることもあり、ヴィッセルは1999年からアシックス製のユニフォームを着続ける。
11年にJ1リーグ初制覇を遂げた柏レイソルは、同年より現在までヨネックスのユニフォームで一貫。前年の10年には名古屋グランパスが、ニワトリがロゴマークのルコックのユニフォームで、同様にJ1初優勝を遂げた。11~14年にアビスパ福岡のサプライヤーを担ったスボルメは、06年創設の日本のスポーツブランドだ。
鹿島アントラーズが「nr」を着て初連覇を達成
同じく20年前にさかのぼり、01年のランキングを見よう。1993~96年はミズノが全クラブのユニフォームデザインを一括して手掛けていたが、その名残なのか、ミズノがトップに立つ。ただ、現在はジェフユナイテッド市原・千葉のカッパなど、4チームとも当時からサプライヤー企業が変わった。
2位はドイツ発祥の2大ブランド、アディダスとプーマがランクイン。静岡の2チームは、リーグ戦でミズノ以外のブランド解禁後の97年よりプーマ一筋だ。4位のルコックは、ガンバ大阪も1998~2002年の5年間、採用していた。
5位の4ブランドの中でオールドファンの琴線に触れるのが、アントラーズのサプライヤーだったイタリアブランド、エネーレだろう。ロゴマークは「nr」と書き、ディエゴ・マラドーナ在籍時のナポリのユニフォームもエネーレ製だった。アントラーズは01年とその前年にいずれも「nr」をまとい、連覇を達成したのである。
J1ユニフォーム史でナイキが最多優勝回数を誇る
最後に、ユニフォームのスポーツブランドごとのJ1リーグ優勝回数ランキングを紹介。ミズノ製独占後の97年以降のJ1優勝チームを集計。その結果、栄えある1位になったのは計8回のナイキだ。
06~09年はレッズ初VとアントラーズV3が続いて4連覇を達成。その後、森保一監督が率いて3度王座に着いたサンフレッチェの胸にも「スウッシュ」マークが付いていた。
2位はジュビロとフロンターレが各3回ずつのプーマ。フロンターレは今後もプーマのサポートを受けながら黄金時代を築き、ナイキ勢に追いつき追い越せるだろうか。
3位のエネーレと6位のルコックは、現在はサプライヤー契約しているJクラブはゼロ。F・マリノスはアディダス、ガンバはアンブロ、レイソルはヨネックスと契約を継続中。慣れ親しんだブランドの“戦闘服”で、再び戴冠を狙う。
また、11年のレイソルを最後に、9年間も新たなブランドのユニフォームを着た優勝チームが出てきていない。1997年以降は優勝経験のないミズノ勢からニューバランスらの新興勢力までが、J1のユニフォーム史に名を刻む“新王者”を目指す。
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