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サッカー日本代表、カタールW杯スペイン戦は前半勝負!

2022 8/21 06:00桜井恒ニ
スペイン代表MFペドリ,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

ドイツ戦の失点数がカギ

サッカー日本代表は日本時間12月2日未明、カタールW杯のグループE・第3節でFIFAランキング6位のスペイン代表とアルホールで戦う。

この時点で日本もスペインも、グループリーグ内における立ち位置がある程度はっきりしているはずだ。

日本はドイツに負けてもコスタリカに勝っていれば、1勝1敗でまだグループリーグ突破への望みを残しているだろう。スペインも、ドイツの完成度を考えると1勝1敗(コスタリカに勝利してドイツに敗北)で第3節に臨む可能性がある。

スペインは、5-0で大勝した2022年3月30日のアイスランド戦以外、ロースコアでの戦いが多い。ドイツと比較すれば攻撃力が落ちる。同じく攻撃力が高いとは言えない日本同様、ロースコアでの試合展開が予想される。

同じ1勝1敗で対戦するにしても、得失点差によって両チームの立ち位置が異なる。そこで両チームの得失点差のカギとなるのが、ドイツ戦の失点数だ。

仮に日本がドイツに大量失点で負ければ(そしてスペインがドイツとロースコアでの戦いだった場合)、スペインに勝利することがグループリーグ突破の絶対条件になる。一方、スペインは引き分け以上が条件になる。だからこそ、日本はドイツに大量失点で負けることは避けたい。

中盤の攻防は絶対負けられない

日本は東京五輪準決勝でスペインと対戦し、延長までもつれこむ接戦を演じた。12月も、互いにポゼッションサッカーを信奉し、がっぷり四つの拮抗した戦いに持ち込める確率は低くない。

そうなると、中盤での攻防が一つのポイントになりそうだ。中盤で恐れず押し負けず、後方からラインを上げて攻め上がることができれば、得点チャンスを得られるだろう。例えば4-5-1で中盤の人数を増やし、遠藤航、田中碧、守田英正に加え、昨シーズンのヨーロッパリーグ(EL)でバルセロナ戦の勝利に貢献した鎌田大地、スペイン勢の特徴を良く知る久保建英、スタミナと献身性に優れた原口元気、好調を維持する堂安律らを組み合わせて中盤の主導権を握りたい。

ただしスペインの中盤は豪華だ。バルセロナのガビ、セルヒオ・ブスケツ、ペドリ、さらにリバプールのチアゴ・アルカンタラ、アトレティコ・マドリードのマルコス・ジョレンテなどの代表入りが考えられる。ポゼッションサッカーの権化たるスペインは華麗なパス回しを展開してくるはずだ。

このパス回しを、遠藤と守田が中盤でいかに潰せるかどうかが、スペイン戦の勝敗を左右するだろう。

前半にリードを奪いたい日本、終盤の攻撃力はスペインが上

日本としては、序盤に得点を決めて優位に進めたい。なまじ同点で終盤に突入すると危ない。日本とスペイン、どちらに終盤の得点力があるかと言えば後者だ。

東京五輪で日本を破る値千金の一撃を放ったマルコ・アセンシオが途中出場し、また均衡を破る……というシナリオも考えられる。カタール大会の目玉になるかもしれないペドリ、今大会で覚醒してブレイクする可能性を秘めたアンス・ファティが、3連戦で疲れ切った日本の守備網をズタズタに切り裂いてスーパーゴールを決める……という展開もあり得る。

日本は、前半のうちに片をつけるつもりで挑んでほしい。三笘薫を先発させ、スペインのエンジンが本格稼働しないうちに、立ちあがり15分以内に先制点を狙うのも手だ。三笘のクロスや鎌田大地・久保建英のスルーパスに合わせてゴールを狙うべく、先発の1トップはトラップやシュート技術に優れた古橋亨梧、あるいはPA内で力を発揮する南野拓実が妥当か。

スペイン戦は日本中の注目を集める大一番となる可能性も十分。冷え込む季節の早朝に眠い目をこすって日本の勝利を祈るファンが増えそうだ。

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