過去のW杯、初戦敗退で決勝トーナメント進出なし
サッカーの2022年ワールドカップ(W杯)カタール大会の組み合わせ抽選会が4月1日、ドーハで開かれ、7大会連続出場で世界ランキング23位の日本は「死の組」と呼ばれる厳しいグループに入った。11月23日の1次リーグE組初戦で優勝4度を誇る世界12位のドイツと対戦する。
会場はドーハのハリファ国際競技場で午後4時(日本時間午後10時)キックオフ。第2戦は11月27日午後1時(日本時間午後7時)からコスタリカ(北中米カリブ海)とニュージーランド(オセアニア)による6月の大陸間プレーオフ勝者と対戦。第3戦は世界7位スペインと12月1日午後10時(日本時間2日午前4時)開始となる。
日本が初戦で負けたW杯は1998年フランス大会のアルゼンチン(0-1)、2006年ドイツ大会のオーストラリア(1-3)、2014年ブラジル大会のコートジボワール(1-2)。いずれも流れに乗りきれず1次リーグで敗退しており、初戦のドイツは強豪といえども番狂わせを起こし、最低でも引き分けが必要となりそうだ。
2連覇を狙った前回ロシア大会は1次L敗退のドイツ
「ゲルマン魂」と呼ばれる勝負強さを持つドイツは、18大会連続20度目のW杯出場の常連国。2014年ブラジル大会は圧倒的な技巧とパワーを兼備した攻撃サッカーで制覇したが、2連覇を狙った2018年ロシア大会はよもやの1次リーグ敗退。長期政権のレーウ監督はその後も低迷して2021年に退任した。
それでも底力はやはりある。ブンデスリーガの名門バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)を率いて欧州チャンピオンズリーグ(CL)などを制したフリック新監督を招いて立て直し、W杯予選は9勝1敗と攻守の切り替えに磨きをかけた成熟した現代サッカーで圧倒的な強さを取り戻し「世界最速」で突破してきた。
主軸はBミュンヘン勢で、攻撃陣は4度目の出場を目指す経験豊富なベテランのミュラー、突破力のあるニャブリやサネ、ロイスを絡めた布陣。台頭著しい22歳のハーバーツらタレントがそろい、最後方には世界的な名手のGKノイアーが控える。
過去の対戦成績は日本の1分け1敗
日本はドイツと過去の対戦成績は1分け1敗。これまで勝ったことはない。
初対戦は2014年12月の国際親善試合、キリン・チャレンジカップ(横浜国際総合競技場)で対戦し、0―3で完敗した。ジーコ監督率いる日本は後半9分、左FKをGK楢崎正剛が取り損ない、詰めたクローゼに先制され、24分に「小皇帝」と称されたバラックがミドルシュートを決め、ロスタイムに再びクローゼに決められた。
高原直泰(ハンブルガーSV)や鈴木隆行(鹿島)、小笠原満男(鹿島)藤田俊哉(磐田)らの攻撃陣は名GKカーンらの堅守に阻まれ、クリンスマン監督が指揮するドイツに好機をつくれなかった。
第2戦は2016年W杯ドイツ大会に臨む直前の5月下旬、ドイツのレーバークーゼンで対戦。エース高原が2ゴールを決めて気を吐き、2―2で引き分けた。日本はW杯代表23人決定後初の強化試合で、高原が後半12分、柳沢敦(鹿島)のパスを受けて先制。中盤は中村俊輔(セルティック)や中田英寿(ボルトン)らで構成し、20分にも2点目を奪い、一時は日本が2―0とリードした。
しかしドイツも終盤に伝統国の威信をかけてGK川口能活(磐田)、宮本恒靖(G大阪)中沢佑二(横浜M)らの守備陣を粉砕。セットプレーから高さとパワーを生かしてクローゼ、シュバインシュタイガーが連続得点して追いついた。
ドイツは守備が不安材料、前回大会はメキシコに黒星
ドイツは前回ロシア大会、優勝候補の筆頭格に挙げられながらメキシコとの初戦を落とした痛恨の1敗が尾を引き、1次リーグで敗退した。日本も体格がさほど変わらないメキシコの戦い方は参考になるだろう。この試合では中盤のボール奪取力で後手を踏み、サイドバックの裏を徹底して突かれて逆襲から失点した。
盤石とみられるドイツの不安材料は最終ラインの守備にあるといわれる。今大会の予選で伏兵の北マケドニア(旧マケドニア)に敗れた試合もDF陣が安定感を欠いた。日本は伊東純也(ゲンク)三笘薫(サンジロワーズ)ら新世代が裏に抜け出すスピードを生かし、ドイツの弱点を巧みに突けば勝機も出てくる。
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