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次はカタールW杯!34歳メッシが南米選手権制覇で流した涙の意味

2021 7/14 11:00田村崇仁
トロフィーを掲げるアルゼンチン代表のリオネル・メッシ,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

アルゼンチンが28年ぶり最多タイ15度目の優勝

サッカー界の英雄メッシが涙の頂点に立った。南米選手権(コパ・アメリカ)は7月10日、リオデジャネイロのマラカナン競技場で決勝が行われ、アルゼンチンが開催国で前回王者のブラジルを1―0で破り、1993年以来28年ぶり15度目の優勝を果たした。ウルグアイと並ぶ大会最多制覇。34歳のエース、メッシはA代表では初めて主要な国際タイトルを獲得し、人目をはばからず歓喜の涙を流した。

スペイン1部リーグの名門バルセロナで数々の栄冠に輝き、史上最高のフットボーラーの1人と評価されながらも、A代表でのトロフィーには不思議と恵まれてこなかった。母国でのタイトルは年代別代表の2005年U-20W杯、U-23代表で臨んだ2008年北京五輪のみ。A代表では時に「メッシでは勝てない」と非難を浴びて2016年の南米選手権の決勝で2大会連続でチリに敗れた際は29歳で代表引退を決意したこともある。

南米の覇権を争うライバル対決となった決勝は前半22分にロングパスで抜け出したディマリアが冷静に左足でループシュートを決めて先制。後半はブラジルのエース、ネイマールを中心とした反撃をしのぎ、優勝を決めるホイッスルが鳴った瞬間、メッシは座り込んで顔を覆って涙した。ピッチに座り込むと、次々と駆け寄ってきた仲間と抱擁、その歓喜の中心に世界のメッシがいた。

AP通信によると「これまで悲しい思いをしたが、いつかはできると分かっていた。神様が自分のために、この瞬間をとっておいてくれた」。仲間から胴上げされ、少年のように輝く笑顔を見せた。

バロンドール最多6度受賞、決勝は4度敗退

世界最優秀選手賞「バロンドール」は最多の6度受賞。しかしアルゼンチン代表では2014年ワールドカップ(W杯)ブラジル大会、南米選手権では2007年、2015年、2016年大会と計4度決勝で敗れた。

メッシの主要国際大会成績,ⒸSPAIA


2005年の代表入り以降、アルゼンチンで歴代最多151試合目の出場となった南米選手権の決勝はゴールがなく、後半43分の絶好機もGKとの1対1を逸した。それでも今大会は全試合フル出場で4得点、5アシストと大車輪の活躍。大会得点王と最優秀選手(MVP)にも堂々と輝いた。

ネイマールと心温まる抱擁

試合後はバルセロナ時代のチームメートでもあったブラジルのネイマールと健闘をたたえ合って心温まる抱擁のシーンも。ネイマールは自身のインスタグラムを通じ「負けたことは、とても悔しい。でも彼はすごい。僕は彼のことを心から尊敬している。フットボールは、君がこの瞬間を迎えることを待っていたんだ」と祝福した。

身長約170センチ前後の小さな体で長年、期待と重圧を受け止めながら世界を魅了し続けてきた希代のスーパースター。小さい頃からの憧れだったマラドーナら往年の名選手の死去が続いて沈んでいた母国サッカー界と国民を、最高の形で元気づけた。

次の目標は2022年W杯カタール大会か。あのマラドーナを擁してW杯制覇を成し遂げた伝説の1986年大会以来の頂点を狙う。

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