「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

急転ブラジル開催のコパ・アメリカ、メッシはアルゼンチンを28年ぶり優勝に導くか?

2021 6/6 11:00佐藤文孝
リオネル・メッシⒸゲッティイメージズ
このエントリーをはてなブックマークに追加

Ⓒゲッティイメージズ

開催直前でのホスト国変更

サッカーの「南米最強決定戦」が混迷している。

コパ・アメリカ2021は当初、アルゼンチンとコロンビアとの共催で行われる予定だったが、5月20日にコロンビアが国内の政情不安を理由に開催を断念、アルゼンチンも新型コロナウイルス感染拡大の影響により30日、自国での大会の開催を見送ることを発表した。

これにより、大会2週間前にホスト国が撤退するという異例の事態となったものの、南米サッカー連盟(CONMEBOL)は翌日、ブラジルで開催することを発表した。

ブラジルは2019年の同大会の開催地であり、運営がスムーズに行われたことやスタジアム設備が他国よりも優れていることが開催理由として挙げられている。

コパ・アメリカは1910年に「南米選手権」の名称で第一回大会が行われた世界最古の代表チーム同士の国際大会として知られており、1975年からコパ・アメリカとして開催されている。今大会からはEUROと同じ年に開催することが2018年のFIFA評議会で承認されている。

本来は昨年に開催予定だったものの、新型コロナウイルスの影響で1年延期となり、コパ・アメリカ2021としてアルゼンチンとコロンビアを開催国として行われる予定だった。また、招待国としてオーストラリアと2022年のW杯開催国カタールが参加予定だったものの、W杯予選延期を理由に両国とも出場を辞退している。

開催まで2週間を切り、なおも混乱の最中にあるコパ・アメリカ2021。果たして、代替国となったブラジルで6月14日の開幕を無事に迎えられるのだろうか。

もう一つの南米大陸での戦い、W杯予選

コパ・アメリカ開幕の直前にはカタールW杯南米予選も行われる。全10カ国によりホーム&アウェーでの2回戦総当たりで争われ、ここまで4試合を消化、ブラジルが全勝でトップ、アルゼンチンも3勝1分けと無敗で2位につけている(6月4日現在)。

6月8日の第8節ではパラグアイ対ブラジルの上位対決や、コロンビア対アルゼンチンといった強豪同士の試合も行われる。

代表メンバーは先月中に発表されており、ブラジルはエースのネイマール(パリサンジェルマン)、フィルミーノ(リバプール)らが順当に選ばれたほか、38歳のベテラン、ダニエウ・アウベス(サンパウロ)が選出されている。

アルゼンチンもリオネル・メッシ(バルセロナ)やセルヒオ・アグエロ(マンチェスターシティ)、今季セリエAで17ゴールを記録した23歳のラウタロ・マルティネス(インテル)らが招集されている。

一方で、コロンビアのエース、ハメス・ロドリゲス(エバートン)はコンディション不良を理由に、南米予選、コパ・アメリカへの招集は見送られている。

昨年11月を最後に新型コロナウイルスの影響で延期となっていた南米予選。まだ序盤ではあるものの、来年のW杯に向けて、ここでも激しい戦いの真っ最中なのだ。

リオネル・メッシはディエゴ・マラドーナ氏への思いを胸に

話をコパ・アメリカに戻そう。かつては日本も2度出場(1999年、2019年)するなど、日本のサッカーファンからも注目を集めた南米のビッグイベントは、開催国変更という思わぬ形で世界中から関心を惹く事態となった。

当初の開催国の一つだったアルゼンチンは、今大会優勝候補の一つではあるものの、開催地変更がどのような影響を及ぼすか。史上2位の14度の優勝回数を誇るが、1993年大会を最後に頂点には届いていない。

コパ・アメリカ2021組み合わせ


昨秋、サッカー界のスーパースターであり、アルゼンチンの国民的英雄ディエゴ・マラドーナ氏がこの世を去った。W杯など世界の舞台で躍動したマラドーナでもコパ・アメリカのタイトルは獲得できなかったこともあり、マラドーナ逝去後の初めての今大会で優勝を願うファンは少なくないだろう。

そのマラドーナの後継者と呼ばれ、同じ背番号10を背負うエース、リオネル・メッシもコパ・アメリカへの出場が有力視されている。「僕たちは彼(マラドーナ)にとっての代表チームの意味を知っている。彼はスタジアムにいなくてもいつもそこにいた」。メッシはマラドーナへの思いをそう語っている。

アルゼンチンを今大会で優勝に導くことができれば、自身のキャリアにとっても代表として初のビッグタイトルとなる。28年ぶりの南米王者に向けて、アルゼンチンの「もう一人の至宝」は33歳となった今、どんな輝きをみせられるだろうか。日程が予定通り消化されれば、決勝は7月10日に行われる。

【関連記事】
開幕迫るEURO2020の優勝予想と注目選手、ポルトガルは史上最強?
クリスティアーノ・ロナウド今夏ユベントスを退団か、移籍先候補に古巣3クラブ
メッシ、ネイマールら欧州サッカーのトップ選手1試合の収入は?