1900年パリ大会で初実施のセーリング
セーリングがオリンピックで初めて実施されたのは1900年パリ大会で、その歴史は長い。1996年アトランタ大会までは「ヨット」だったが、2000年シドニー大会から「セーリング」が競技名となった。
日本からは1936年ベルリン大会スター級に財部実と三井卓雄(11位)、オリンピックヨレ級に藤村紀雄(22位)が出場したのが最初。戦後も1952年ヘルシンキ大会フィン級の海徳敬次郎を始め、多くの選手が出場してきた。
歴代オリンピックの日本代表メダリストと入賞選手は以下の通りとなっている。
アトランタで重由美子・木下アリーシア組が銀、アテネで関一人・轟賢二郎組が銅メダル
初めて入賞したのは1992年バルセロナ大会女子470級の重由美子・木下アリーシア組。艇の全長が4.7メートルで日本人の体格に合っていると言われる470級で初の5位入賞を果たした。
重由美子・木下アリーシア組は続く1996年アトランタ大会で初のメダルとなる銀メダルを獲得。2人は2000年シドニー大会でも8位に入賞した。
さらに2004年アテネ大会では男子470級の関一人・轟賢二郎組が銅メダル。日本男子では初のメダリストとなった。
2008年北京大会では男子470級の松永鉄也・上野太郎組が7位入賞し、2016年リオデジャネイロ大会では女子470級の近藤愛・吉岡美帆組が5位入賞。江の島で行われた2021年東京大会では男子470級の岡田奎樹・外薗潤平組、女子470級の吉田愛・吉岡美帆がともに7位。男女そろって入賞を果たした。
男女別から統合された混合470級で20年ぶりメダル
2024年パリ大会では20年ぶり3組目のメダリストが生まれた。男女別から統合された混合470級で岡田奎樹・吉岡美帆組が銀メダル。8レースを終えて3位だったが、上位10艇による最終レースでさらに順位を上げた。
岡田奎樹は唐津西高時代にアトランタ五輪銀メダリスト重由美子の指導を受け、その後も早稲田大学ヨット部、トヨタ自動車東日本と所属を変えながら東京オリンピックに出場し、2023年8月の世界選手権で優勝していた。
吉岡美帆は芦屋高時代にセーリングを始め、立命館大学ではインカレに出場。卒業後はベネッセに所属し、2016年リオデジャネイロオリンピック5位、2021年東京オリンピック7位と2大会連続で入賞した。岡田奎樹とのペアで臨んだ2023年の世界選手権で優勝し、3大会連続出場となったパリで見事、銀メダルに輝いた。
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