【スポーツ×ツーリズム】第1回 スポーツツーリズムとは?①|【SPAIA】スパイア

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【スポーツ×ツーリズム】第1回 スポーツツーリズムとは?①


スポーツツーリズムとは?

前回、スポーツ×メディアについて述べた。メディアとの関係は、歴史があり、これからもプロスポーツと深い関係が続いていくだろう。

今後、スポーツビジネスとして幅を持ち、新たな可能性を広げていく必要がある。どのビジネスも同じだが、社会が変化することによって市場も移り変わる。そして、常に革新を求められる。今回は、そのスポーツ産業界の中で注目されている分野、スポーツ×ツーリズムについて分析していきたい。

まず、スポーツツーリズムとは何か。2011年に出された観光庁スポーツツーリズム推進基本方針では、『スポーツ資源とツーリズムとの融合を図っていく取り組みであり、スポーツを「観る」、「する」ための旅行そのものや周辺地域観光に加え、スポーツを「支える」人々との交流、あるいは生涯スポーツの観点からビジネスなどの多目的での旅行者に対し、旅行先の地域でも主体的にスポーツに親しむことのできる環境の整備、そしてMICE推進の要となる国際競技大会の招致・開催、合宿の招致も包含した、複合的でこれまでにない「豊かな旅行スタイルの創造」を目指すもの』と説明されている。

この方針を見ても、日本国として、スポーツの新たな可能性を探り、同時に経済効果や交流人口の拡大を狙っているのが分かる。

東京オリンピックで大きく変わった観光

しかし、それまでの日本では、スポーツとツーリズムはそれぞれ独自の進化を遂げ、交わらないものであった。欧米では1980年代から本格的に研究や活動をされてきたが、日本では、2000年代前半にようやく研究や活動が認知し始め、2011年に観光庁から上記の推進基本方針が定められて、2012年に一般社団法人日本スポーツツーリズム推進機構が設立された。

それでは、なぜ、このような流れができたのか。これは皆さんもご存知のように、メガスポーツイベントの招致や開催、特に2020年の東京オリンピック開催が大きい。

日本国もこの開催を契機に、訪日外国人観光客を伸ばし、経済活性化を狙っている。現に、この数年、訪日外国人観光客数は毎年400万人以上上昇し、2017年には2,869万人もの観光客が日本に来ている。国が2020年に4,000万人以上の観光客数を目指しており、達成が可能なところまで来ている。

しかし、これらを分析すると、課題も見つかってきている。まず、先進国の中では、観光客数がまだまだ低い。アメリカや中国のような大国をはじめ、フランス、イギリスのようなヨーロッパ諸国、そして、同じアジアであるタイにも数は及んでいない。(現在は15位前後である)

さらに、1人あたりの消費額も課題となっている。2016年に国連世界観光機関(UNWTO)が出した金額としては、1人あたりの支出額は1,276ドルであった。これはタイの1,530ドルに及んでいない。2015年に話題となったデービッド・アトキンソン著「新・観光立国論」でも語られているが、外国人観光客にとって日本特有のおもてなし文化は押しつけになっているなど、日本ではまだまだ分析ができておらず、体制が整っていないのが現状である。しかし、裏を返せば、非常に伸び代がある分野とも言える。

日本の観光立国としての課題

これから観光立国として、日本を成長させていく上では、特に富裕層が多く存在する欧米の観光客が満足感を得られる施設やサービスを向上させていくのは必須である。

また、これらの観光を伸ばしていく分野として、スポーツが重要な部分を占めていくのは間違いない。現在の流れを創ったのも、スポーツイベントであるオリンピックやラグビーワールドカップである。これまでは、スポーツの観光分野としては、メジャーリーグの日本人選手を見に行くツアーやスキーツアーなどの一つのプランでしかなかった。しかし、今やスポーツのビックイベントやキャンプや合宿誘致などまちづくりにも大きく影響し、観光分野にも大きな影響を及ぼしている。

次回はこのスポーツツーリズムの現状や課題について、プロフェッショナルに詳しくお話を伺う。

《インタビュアープロフィール》 藤本 倫史(ふじもと・のりふみ) 福山大学 経済学部 経済学科 講師。広島国際学院大学大学院現代社会学研究科博士前期課程修了。大学院修了後、スポーツマネジメント会社を経て、プランナーとして独立。2013年にNPO法人スポーツコミュニティ広島を設立。現在はプロスポーツクラブの経営やスポーツとまちづくりについて研究を行う。著書として『我らがカープは優勝できる!?』(南々社)など。

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