新国立競技場で民間企業として初の入社式
体育会学生の就職支援をしている株式会社スポーツフィールド(東京都新宿区)が4月3日、国立競技場で入社式を行った。2021年の東京五輪に合わせて新設された国立で民間企業が入社式を行ったのは初めて。
同社は2010年に創業され、様々な競技の元日本代表やパラリンピック代表、全国大会出場経験者なども多数在籍。体育会や運動部出身の社員が全体の9割を占めるという。
入社式は2016年が福岡県内の体育館、2017年から3年間は札幌ドームで行ってきたが、コロナ禍により3年間は競技場での開催を断念。今回4年ぶりに開催するにあたって「聖地」国立が候補に挙がり、4月3日のスケジュールが空いていたこともあって実現に至った。
当日は東京オリンピック・パラリンピック開催時に担当大臣を務めた参議院議員の丸川珠代氏が祝電を贈るなど各界からお祝いが届いた。

株式会社スポーツフィールド提供
体育会出身者多く、運動会はハイレベル
午前11時から行われた入社式では29人の新入社員がメインスタンドに勢揃いし、社会人としての第一歩を踏み出した。
同社広報担当の上野良太氏は「今年の新入社員はコロナ禍で学生時代に人と触れ合うことの少なかった世代なので、会社として思い出に残る入社式にしてあげたいという思いがあった」と話す。世界中のアスリートの汗と涙が染み込んだ国立で社会人生活のスタートを切れたことは一生忘れないだろう。
さらに同社は入社式後に運動会を開催するのが恒例となっており、国内最高の舞台で約250人の全社員が参加して運動会を実施。「運動会」とはいえ、体育会出身者が多いため極めてレベルは高い。
勤務地や部署、上司も部下も関係なく、100メートル走や玉入れ、車いすリレーなどが行われるたびにスタンドからは大歓声。全社員が心地良い汗を流し、組織としての結束力を高めた。
さらに夕方からは国立のVIPルームで懇親会を開催。社員表彰なども行われ、全社員が「聖地」を存分に堪能した。
前身の旧国立を含めても入社式で使用するのは異例で、費用も決して安くない。上野氏は「過去最高売上、最高利益を更新したのは全社員のおかげです。誰でも使える場所ではないので、私たちが今後どういう事業をやっていくべきなのか、新入社員だけでなく、既存社員にも感じる瞬間になったと思います」と狙いを明かした。
新入社員としての入社式は一生に一度。日本スポーツ界の「聖地」でビジネスマンとしてのスタートを切った社員たちが、今後は日本スポーツ界に大いに貢献していくだろう。

株式会社スポーツフィールド提供
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