コロナ禍で4人に1人がコロナ太り
新型コロナウイルスの第6波がいよいよ到来した。急激な感染拡大のなかで、感染防止のために様々な行動の制限が必要となってくる。
コロナ禍による行動の制限は我々の生活に多くの影響を与えており、中でもコロナ太りによる体型の変化が気になる方は多いのではないだろうか。
明治安田生命が2021年7月に全国の男女5640人を対象に行った「健康に関する調査アンケート」では、回答者の4人に1人がコロナ禍の運動不足により体重が増えたと回答している。
また、活動制限による運動量の低下は単にカロリー消費不足による脂肪の蓄積のみならず、筋肉量の低下にも影響を及ぼす。特に高齢者の場合は2週間ほどの活動制限で約4%もの筋肉量の低下につながってしまうのだ。
筋肉量の低下は基礎代謝の低下につながり、太りやすく痩せにくい体質になるなどの悪循環を生み出す。様々な行動制限がかかる中で、健康を保ちコロナ太りを防ぐための運動が必要となる。
「スロースクワット」で筋肉量の7割が集まる下半身を刺激
とはいえ、コロナ禍による活動制限で運動不足を感じても、これまで運動や特別なトレーニングを行ってこなかった方はどのような運動を取り入れたら良いか悩ましいだろう。トレーニング初心者にとって、いきなりランニングを取り入れるのはハードルが高く継続が難しい。
そのような方におすすめのトレーニングは「スロースクワット」だ。スロースクワットはランニングのように運動の際に外出する必要もなく、初期費用もかからず、自宅にいながら気が向いた時にいつでも気軽に取り組むことができる。
また、ゆっくりとした動作で行うため関節への負荷も小さく、運動経験の少ない方や老若男女問わず取り組むことができるトレーニングなのだ。
人の体は筋肉量のおよそ7割が下半身に集まっており、スロースクワットは大腿四頭筋をはじめ、ハムストリングや腓腹筋など下半身の大部分の筋肉に刺激を与えることができる。
そのため、スロースクワットによって下半身を刺激することで1回当たりの運動でも大きなカロリー消費を期待できるのだ。また、同時に筋肉量も向上させることができるため基礎代謝の向上も見込め、太りにくい体を手に入れることができる。
誰でも気軽に取り組めて高いダイエット効果を得られるスロースクワットを運動不足解消のために取り入れていきたい。
「10秒」かけたゆったりとした動作を
スロースクワットの効果を最大限に得るためには正しいやり方やフォームでトレーニングを行うことが重要となる。間違ったやり方は効果を低下させてしまうため、まずは鏡を見ながらフォームを習得するところから始めたい。
【スロートレーニングのやり方】
①直立して脚を肩幅よりもやや広く開く
②10秒ほどかけてゆっくりと腰を下ろす
③膝が90度ぐらいまで曲がったら2秒間その態勢をキープする
④立ち上がる時も10秒ほどかけてゆっくりと立ち上がる
②〜④の動作を10回1セットとして1日当たり3〜5セット取り入れたい。注意点としては、③の腰を下ろした際にも背筋を伸ばした状態をキープして、膝がつま先よりも前に出ないようにする。また、呼吸法としてはしゃがむ際に息を吸い、立つ時に息を吐くように心がけたい。
コロナ太りが気になりダイエットに取り組もうと考えている人は、まずは下半身の筋肉に着目してスロースクワットを取り入れていこう。運動不足が解消できて太りにくい体を手に入れることができる。正しい知識を身につけて効果的にダイエットに励もう。
《ライタープロフィール》
近藤広貴
高校時代にボクシングを始め、全国高校総体3位、東農大時代に全日本選手権3位などの成績を残す。競技引退後は早稲田大学大学院にてスポーツ科学を学ぶ。現在は母校の教員としてボクシング部の指導やスポーツに関する研究を行う傍ら、執筆活動を行っている。
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