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オミクロン株が北京冬季五輪を直撃、フィギュア海外組は特例で練習容認

2021 12/13 06:00田村崇仁
イメージ画像,ⒸMirko Kuzmanovic/Shutterstock.com
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ⒸMirko Kuzmanovic/Shutterstock.com

IOCは延期否定、代表選考に影響懸念も

新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」の急拡大が2022年2月4日に開幕する北京冬季五輪に影を落としている。

国際オリンピック委員会(IOC)は大会延期の可能性を否定し、史上初の1年延期を経て2021年夏に開催された東京五輪・パラリンピックの経験を踏まえて厳格なコロナ対策に自信を強調するが、国際大会の延期や中止も相次ぎ、スポーツ界に不安が広がる。

日本政府も水際対策強化で外国人の入国を厳格化し、12月9~11日に大阪府で予定されていたフィギュアのグランプリ(GP)ファイナルは中止が決定。日本勢は北京五輪代表を争う選考対象大会の一つで世界のトップ選手たちと戦う貴重な舞台を失い、代表選考への影響も懸念される事態となった。

カナダの報道によると、米国やカナダで抜群の人気を誇り、テレビ局で「ドル箱」の北米プロアイスホッケー(NHL)がオミクロン株の急拡大で最悪の場合、北京五輪への選手派遣を取りやめる可能性も出てきたという。

2022年1月11、12日に予定されているノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプ女子蔵王大会(山形市)も中止の見通しだ。

フィギュア勢の日本選手は待機期間中も特例容認

一方、北京五輪を目指す日本勢で海外を拠点に練習する選手も少なくない。日本政府はフィギュアスケートやスピードスケートは五輪代表選考を兼ねた大会が年内に控えている現状を踏まえ、海外から帰国後14日間の待機期間中でも「厳格な行動管理」などを条件に「特例」で練習を容認することを決定した。

フィギュアは代表最終選考会を兼ねた運命の一戦、全日本選手権(12月23~26日・さいたまスーパーアリーナ)を控え、女子エースの紀平梨花(トヨタ自動車)やアイスダンスの村元哉中、高橋大輔組(関大KFSC)らが海外で調整している。帰国後14日間で練習ができなければ調整に影響が出る可能性もあっただけに、厳戒措置が緩和されたことは大きな前進となりそうだ。

こうした状況を踏まえ、スピードスケートの北京五輪代表選考会は開幕を予定から2日延期し、12月29~31日に実施される。水際対策強化で当初日程の27~30日では海外遠征中の高木美帆(日体大職)小平奈緒(相沢病院)ら有力選手が出場できないレースが生じることが主な理由だ。

米英豪など外交ボイコットも拡大

北京五輪開幕まで2カ月を切り、オミクロン株の世界的な広がりは国内外の選手の強化やコンディション調整に少なからず与えそうだ。さらに人権問題を焦点にした米国などと中国の対立がここへ来て鮮明化。米バイデン政権による「外交ボイコット」に追随する動きが英国やオーストラリアにも拡大し、国際社会と中国との対立がスポーツ界にも波及している。

中国最高指導部メンバーから性的関係を迫られたことを暴露した女子テニス選手、彭帥さんの問題でも、女子テニス協会(WTA)が香港を含む中国での大会開催を中止する抗議の意思を示した。

オミクロンによる混乱とスポーツを政治利用されたボイコット騒動。先行きは不透明だが、競技人生を懸けたトップアスリートが最大限の力を発揮できる環境が整うことを望みたいところだ。

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