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水を飲むだけで痩せる!ウォーターダイエットは年間2.4kgの脂肪燃焼

2021 9/18 06:00近藤広貴
イメージ画像,ⒸKrakenimages.com/Shutterstock.com
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缶ジュース1本で肥満の基準値オーバー

我々の体はおよそ6割が水分でできているが、代謝・尿・発汗などで日々刻々と水分量は失われていく。

体内の水分量低下は様々な健康被害をもたらすとされ、5%を失うと脱水症状や強い喉の渇きを、10%を失うと循環器不全、20%を失うと死に至ると言われている。健康維持のために水分補給は欠かせないものとなる。

厚生労働省によると、一般的な成人で1日あたりに必要な水分量は2.5リットル程とされているが、日頃適切な水分量の摂取ができているだろうか。水分摂取は生活に必要だが、水分の取り方もまた重要だ。

特にジュースによる水分摂取は肥満の元となるため注意が必要。WHO(世界保健機構)が発表した基準では、肥満を防ぐためには砂糖の摂取量を1日あたり25g以下にする必要があるとしている。

炭酸飲料の缶ジュース1本あたり平均で40gの砂糖が含まれるとされ、ジュースによる水分摂取では、砂糖を取りすぎてしまい肥満になる可能性を高めてしまう。

逆に、ジュースなど糖類を多く含む飲料水を避けながら、必要な水分量を適切に取ることで大きなダイエット効果をもたらすことをご存じだろうか。

水を摂取して痩せるウォーターダイエットは、誰でも簡単に始められるおすすめのダイエット法である。

食事30分前の水分摂取で4.3kgのダイエット

これまでウォーターダイエットに関して世界中で数多くの研究がなされてきた。

循環器系のエキスパートで池谷医院の院長である池谷敏郎氏によると、500mlの水を飲むことで通常よりも30%エネルギー消費量が増加し,その効果が1時間以上継続したことが述べられている。

1日1.5リットル水の摂取量を増やすことを1年継続すれば、およそ2.4kg分の脂肪の消費につながるという。摂取した水分は、摂取後に体内と同じ温度まで温められる。この水分を温める際にエネルギーが使用され、消費エネルギーが増加するとされるのだ。

また、英国のバーミンガム大学が行った研究によると3カ月の間、毎回の食事の30分前に水を500ml摂取したグループは、体重が平均で4.3kg減少したことが報告されている。

食事の前に水分を摂取することで、水が胃腸に溜まりふくれるため満腹感を感じやすくなり、食べ過ぎを防止できるというのだ。

ウォーターダイエットは、激しい運動は必要なくうまく水分を摂取することで痩せられる画期的なダイエット法と言えるだろう。

水の温度は20〜25度の常温で6回以上のこまめな摂取を

手軽に始めれるダイエット法ではあるが、ウォーターダイエットを取り入れる際は気をつけるべき注意点がいくつかある。

水分摂取の際に、一気に水を飲みすぎないように注意したい。急激な水分摂取は、体内の塩分濃度を低下させ,水中毒(低ナトリウム血症)を引き起こす危険性がある。水中毒はめまいや頭痛を引き起こすばかりか最悪の場合死につながるため注意が必要だ。

そのため、1日6回以上に分けてこまめな摂取を心がけたい。タイミングとしては、起床時や各食事の30分前には必ず摂取しよう。

また、冷水は胃腸に負担をかけ消化機能を低下させる恐れがあるため、20〜25度の常温水を摂取するようにしたい。摂取する水分はカロリーが含まれなければ、お茶などでも大丈夫だ。

ウォーターダイエットは短期間では大きな体重の変化が現れにくい。最低でも1カ月以上の長期スパンでダイエットに取り組むようにしたい。日頃、何気なく摂取している水分の取り方に気をつけるだけで痩せやすい体を手にすることができる。早速、今日から取り入れてみてはいかがだろうか。

《ライタープロフィール》
近藤広貴
高校時代にボクシングを始め、全国高校総体3位、東農大時代に全日本選手権3位などの成績を残す。競技引退後は早稲田大学大学院にてスポーツ科学を学ぶ。現在は母校の教員としてボクシング部の指導やスポーツに関する研究を行う傍ら、執筆活動を行っている。

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