最多金27個、総メダル58個
8月8日に閉幕した東京五輪で日本選手団は史上最多となる27個の金メダルを獲得。銀14、銅17を合わせた総数58個でも最多記録を更新した。
日本オリンピック委員会(JOC)は、東京五輪のメダリストに報奨金として「金」は500万円、「銀」は200万円、「銅」は100万円を贈るため、支給額も史上最高の計4億円を超える計算になる。
報奨金は選手全員に支給され、団体競技では金の野球が24人で最高の計1億2000万円、次いで金のソフトボールが15人で計7500万円となった。JOC関係者は「規定通りに支給すると、4億4400万円。まさにうれしい悲鳴」と話している。
体操・橋本大輝は1200万円、伊藤美誠は800万円
ルール上は団体やリレー、ダブルスなど複数人で臨む種目は、1人ずつ規定額を支払い、複数種目でメダルを手にした選手はそれぞれを合算する計算。個人の最高額は体操男子で個人総合と種目別鉄棒の2冠に輝き、団体総合でも銀メダルを手にした橋本大輝(順大)で1200万円が贈られる。
競泳女子個人メドレーで2種目を制した大橋悠依(イトマン東進)には1千万円を支給する。ただ一人、金銀銅の3色をそろえた卓球女子の伊藤美誠(スターツ)が計800万円となった。
金メダル最多は競泳男子ドレセルの5個
競泳男子の24歳、ケーレブ・ドレセル(米国)が今大会最多の5個の金メダルを獲得。五輪史上最多23個の金メダルに輝いた「水の怪物」マイケル・フェルプス(米国)と比較される次世代のスター選手に名乗りを上げた。
競泳女子のエマ・マキオン(オーストラリア)は金4、銅3で計7個のメダルを手にし、女子選手の1大会最多記録に並んだ。
陸上女子のフェリックスはメダル通算11個目
陸上女子の35歳、アリソン・フェリックス(米国)は400メートルで銅、1600メートルリレーで金メダルに輝き、通算11個のメダルで陸上女子の最多記録を更新した。
2018年11月に長女を出産。3カ月後に練習を再開し、1年延期となった今回で5大会連続の五輪出場。歴史に新たな足跡を残した。
47都道府県に金メダリスト誕生
ボクシング女子フェザー級で鳥取県出身の入江聖奈(日体大)、空手男子形の喜友名諒(劉衛流龍鳳会)と野球の平良海馬(西武)が沖縄県出身者として初の頂点に立ち、47都道府県に金メダリストが誕生した。
スケボーの12歳開、馬術の62歳ホイが表彰台
今大会の最年長出場は馬術で6度目の大会だった66歳のメアリー・ハナ(オーストラリア)。最年少は卓球女子のヘンド・ザザ(シリア)の12歳だった。
メダリストの年齢層も幅広く、12歳で夏季五輪日本選手最年少出場だったスケートボード女子パーク銀の開心那(WHYDAH GROUP)のメダル獲得は85年ぶりの快挙。
3種目を同じ馬と戦う過酷な総合馬術で62歳のアンドルー・ホイ(オーストラリア)は銀と銅の二つのメダルを手にした。1984年のロサンゼルスで初出場し、今回が8度目の五輪。オーストラリアの最年長メダリストになった。
LGBTQ公表は182人
今大会はカミングアウトした性的少数者(LGBTQなど)の活躍が目立ち、米国拠点の専門ニュースサイトの集計で、選手数は過去最高だった前回リオデジャネイロ大会の56人の3倍以上に当たる182人。
サッカー女子で優勝したカナダのレベッカ・クインは、出生時の性別と性自認が異なるトランスジェンダーを公表した選手で初のメダリストになった。
重量挙げではローレル・ハバード(ニュージーランド)が性別適合手術を受けた選手として史上初めて女子競技に参加。競技の公平性なども含めスポーツ界に一石を投じた。
フィリピンに初の金メダル
初の金メダリストが誕生した国・地域も。フィリピンは重量挙げ女子55キロ級でヒディリン・ディアスが初の栄誉をもたらした。同国が1924年に五輪に参加して以来、全競技を通じて史上初の金メダル。1世紀近くかけて頂点にたどり着いた。
カタールは重量挙げ男子96キロ級のファレス・エルバフが金字塔を打ち立て、人口約6万人のバミューダはトライアスロン女子のフロラ・ダフィーが歴史の扉を開けた。
【関連記事】
・日本女子バスケ史上初の五輪銀メダル、アメリカが7連覇
・東京五輪フェンシングの「王様」エペ団体金メダルは世界も驚く金字塔
・ソフトボール上野由岐子、金メダルに導いた円熟の389球