「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

ウォーキングで痩せるには、朝起きて空腹時にコーヒー2杯飲んでから

2021 5/29 06:00近藤広貴
イメージ画像Ⓒlzf/Shutterstock.com
このエントリーをはてなブックマークに追加

Ⓒlzf/Shutterstock.com

運動の辛さが原因でダイエットに挫折した経験者は3人に1人

ダイエットのため運動を行うなら、一度の運動で多くの脂肪を燃焼させたいと誰もが思うはずだ。しかし、短時間の運動で多くの脂肪を燃焼させるためには、高い強度の運動が必要となり、運動に苦しさがともない継続が難しくなる。

マクロミルが行った全国の15歳〜69歳の男女およそ2000人を対象に行ったインターネットリサーチの結果、ダイエットに取り組んだことがあるが失敗に終わった理由として、3人に1人が運動の辛さが原因で挫折したことを報告している。激しい運動はダイエット失敗の要因につながるのだ。

とはいえ、脂肪を減らすためには運動で多くの脂肪を燃焼させる必要があるのも事実だ。比較的、運動強度が軽いウォーキングであっても、いくつかの工夫をすることで運動による脂肪燃焼量を増加させることができる。

ウォーキングのような軽い運動であれば、息苦しさなどを感じることなく取り組めるため、継続がしやすく失敗につながる恐れも少ないだろう。辛い運動によりダイエットに失敗した経験がある人は、脂肪燃焼効率を高めるための様々な工夫をウォーキングに取り入れてみよう。

「ファステッド・カーディオ」は脂肪の燃焼効果を通常のウォーキングより20%高める

ファステッド・カーディオという言葉を聞いたことがあるだろうか。ファステッド・カーディオとは、朝起きて何も食べていない空腹時の有酸素運動のことを示す。

長時間の空腹は体内に蓄積されたグリコーゲンが枯渇するため、その時に運動を行うことで脂肪からエネルギーを効率よく消費でき、効果的に脂肪を燃焼させることができるのだ。学術雑誌「British Journal of Nutrition」に掲載された研究によると、空腹時の運動は通常時の運動に比べ、20%も多くの脂肪を燃焼させたことを報告している。

また、ユタ州のブリガムヤング大学が行った研究によると、早朝に45分程度の運動を行うとで食べ物の誘惑に対する抵抗感が高まり、余分なカロリー摂取をすることなく1日をすごせるようになることを報告している。

朝に30分〜60分ゆったりとしたペースでウォーキングを行うことは、脂肪の燃焼効率を高めるばかりか、余分なカロリーの摂取を避けることができ、ダイエットを成功に導いてくれるのだ。

早朝ウォーキング前のカフェイン摂取も脂肪の燃焼を助ける

また、スペインのグラナダ大学が運動前のカフェイン摂取の有無が運動時の脂肪燃焼に与える影響を研究した結果、運動30分前にカフェインを摂取したグループが最も脂肪燃焼が活発だったことを報告している。

具体的なカフェイン量としては、マグカップ2杯分のブラックコーヒーを運動30分前に摂取したい。同時にコーヒーの摂取により午前中の代謝が向上したことも報告されており、カフェインの摂取は運動時以外の時間帯でも痩せやすい体になるのだ。

ファステッド・カーディオにプラスしてカフェインを同時に摂取することで、より大きなダイエット効果を得ることができるだろう。

注意点としては、カフェインの過剰摂取はカフェイン中毒を誘発し、動悸や呼吸困難などの副作用を引き起こす危険性がある。1時間あたりカップ9杯のコーヒーを摂取すると急性中毒を引き起こすとされるため飲み過ぎには気をつけたい。

これまでの研究からは、1日に5杯ほどのコーヒーを摂取しても健康面へ影響はなく安全であることが明らかとなっている。1日の摂取量に注意しながらカフェインを摂取していきたい。

いくらダイエットを行い綺麗な体を手に入れたいと思っても、過度な運動は継続が難しくダイエットの失敗につながる。低負荷のウォーキングを行う際にいくつかの工夫を加えることにより、無理なく効果的にダイエットに取り組めるだろう。

《ライタープロフィール》
近藤広貴
高校時代にボクシングを始め、全国高校総体3位、東農大時代に全日本選手権3位などの成績を残す。競技引退後は早稲田大学大学院にてスポーツ科学を学ぶ。現在は母校の教員としてボクシング部の指導やスポーツに関する研究を行う傍ら、執筆活動を行っている。

【関連記事】
脂肪を1kg燃焼するために必要な運動量は?ダイエット成功にはカロリー計算を
太らない食べ方とは?30回の咀嚼と最初の食物繊維摂取で簡単ダイエット
ダイエットに苦しい運動は不要!ロングスローディスタンスは脅威の脂肪燃焼効果