日本人の約8割は猫背…肩こりや片頭痛の原因に
皆さんは自身の姿勢の良さに自信があるだろうか。現在、日本人のおよそ8割が猫背または猫背予備軍とされている。スマホやタブレットの普及に伴い前傾姿勢が増えたことや、長時間のデスクワーク、腹筋や背筋など体幹の筋力低下が原因だ。
猫背は姿勢の乱れのみならず、様々な症状を引き起こす。昭和大学の平泉裕氏によると、猫背は頭の位置が前のめりになるため首周りに負荷がかかり、肩こりや片頭痛の原因になることが報告されている。
また、猫背は体の不調のみならず、周りの人からの印象にも影響を及ぼす。『メラビアンの法則』と呼ばれ、人の第一印象の9割は見た目で評価されるのだ。猫背は自身の評価を落とす原因に繋がる。
猫背は様々な体調不良や人からの印象に大きな影響を与えるため、姿勢の矯正は重要だ。スマホやタブレットなど便利なものが発達した現代だからこそ、トレーニングによって猫背を矯正していきたい。
自宅の壁を使った猫背チェックを
とはいえ、人から指摘されない限り、自身が猫背であるかは分かりづらい。その際は、自宅の壁を使用するだけで簡単に猫背の判断が可能なのだ。
まずは壁を背にして真っ直ぐに立つ。そのまま後ろに下がり頭、背中、お尻、踵の4点を壁にくっつける。意識的に力を入れて4点をくっつけるのではなく、力を抜いて自然な状態で立つよう注意したい。
この状態で以下の3点をチェックする。
頭やお尻が壁から離れた人はすでに猫背と言える。また、頭とお尻が共に離れなかったとしても体勢がきついのであれば猫背予備軍となる。
4点を壁にくっつけた状態での姿勢のキープが意外にもきつく感じる方は多いのではなかろうか。
猫背改善には2種類のプランクトレーニングを
上記のチェックポイントのうち猫背や猫背予備軍に当てはまった人は改善のためのトレーニングをおすすめしたい。
若いうちであれば意識的に背筋を伸ばした座り方をすることで徐々に猫背を解消できるが、体幹の筋力低下に伴う猫背は意識したとしても改善が難しい。
体幹を効果的に鍛えるためにはプランクトレーニングが有効だ。猫背の原因となる背筋や腹筋などの体感部分の筋力向上に効果を示す。
また、プランクは自宅にいながら器具などの購入も要らず、いつでも手軽にできる点もトレーニングとしては最適と言える。猫背改善のために取り入れたいプランクトレーニングは以下の2点である。
・プランク
プランクは、全身をバランスよく鍛えることができるため、アスリートもよくトレーニングメニューとして取り入れている。プランクは体幹の中でも腹筋や前鋸筋など体の前面の筋肉を鍛えられる。
やり方は簡単。地面にうつ伏せになった状態で、両肘と両足のつま先で体を支持し体を浮かせる。この時、効果的に体幹に負荷をかけるために、背中を丸めたり、上体をそったりせずに体を一直線にする。
まずは30秒ほどのキープからはじめ、慣れてきたら1分に延ばそう。インターバルを30秒ほど取り、計3セット行いたい。
・リバースプランク
体幹のうち背中側を効果的に鍛えたい場合は、リバースプランクがおすすめだ。リバースプランクは先ほどとは逆に、地面に仰向けに寝転がり、踵と手のひらで体を一直線にキープし体を支持するトレーニングだ。
プランク同様30秒〜1分程度を1セットとして計3セット行いたい。リバースプランクは、脊柱起立筋や広背筋など体幹の中でも比較的に背中の筋肉を鍛えることができる。
この2種類のプランクを週に2〜3回ほど取り入れることで体幹を鍛えることができ猫背の改善につながるだろう。
現代社会は、スマホやパソコンなど様々な便利なツールが開発された反面、猫背など姿勢や健康面へ悪影響を及ぼすことが多くなった。便利な道具を使いこなしつつ、同時に健康的な体作りにも目を向けたい。日々のトレーニングで生活を豊かにしよう。
《ライタープロフィール》
近藤広貴
高校時代にボクシングを始め、全国高校総体3位、東農大時代に全日本選手権3位などの成績を残す。競技引退後は早稲田大学大学院にてスポーツ科学を学ぶ。現在は母校の教員としてボクシング部の指導やスポーツに関する研究を行う傍ら、執筆活動を行っている。
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