世界最強のライダーとバイクを決める世界選手権
4輪(クルマ)レースの頂点がF1であるのに対し、2輪(バイク)レースの頂点に位置するのがMotoGP。「世界選手権」という名前の通り、世界中を転戦。
MotoGPは、MotoGP、Moto2、Moto3の3クラスに分かれている。中でも最高峰といわれるMotoGPクラスは、世界の2輪メーカーがMotoGP専用に開発したマシンを用いて、世界最高レベルのライダーたちが争う。各メーカーが先進技術を結集させたモンスターマシンは、最高時速が350km/hを超える。
参戦しているのは長年ロードレースの頂点に君臨するホンダ、ヤマハ、スズキの日本メーカーと、イタリアのドゥカティとアプリリア、オーストリアのKTM。各メーカーが英知を注ぎ込んだマシンは、一般のライダーではとても扱えない代物。だが、これを手足のように操れるのが世界トップレベルのライダーだ。
MotoGP直下のカテゴリー「Moto2」「Moto3」も併催される
MotoGPを目前にライダー同士がしのぎを削るクラス、Moto2。エンジンはトライアンフ(765cc)のワンメイクで、全ライダーが同じエンジンを使う。マシンに差がないため、ライダーの腕が試され、予選、決勝レースは常に混戦で、観ていて面白い。
小排気量(250cc)のバイクでレースが行われるMoto3クラスは現在、ホンダとKTMの2社がエンジンを供給している。250ccはマシン重量が80kg台とかなり軽いこともあり、レース中のスピードが200km/hを超える。
MotoGPやMoto2に比べてマシンの出力が低く、ゴールまで集団(15台程)でレースするため、優勝争いはおろか、誰が上位に来るのかを予測できない。また、参加するライダーも16歳から28歳までと若いため、レースには見どころが満載。MotoGP以上に激しいバトルが繰り広げられるMoto2とMoto3にも注目してほしい。
絶対王者・マルケスを誰が倒すのか?
最高峰クラスであるMotoGPにおいて、絶対的な存在として頂点に君臨するのがスペイン人、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ)だ。125ccクラス(現Moto3クラス)とMoto2クラスの世界王者で、2013年に最高峰クラスにデビュー。デビューイヤーにはチャンピオン獲得を達成し、2015年以外の全ての年でワールドチャンピオンに輝いている。
デビュー時は、何度も世界チャンピオンに輝いた名ライダーのホルヘ・ロレンソとバレンティーノ・ロッシ、その後はアンドレア・ドヴィツィオーゾなどとチャンピオン争いを演じだが、決してその座は明け渡さなかった。
しかし、2019シーズンにマルケスよりも若く有望なライダー、ファビオ・クアルタラロが台頭。また、初チャンピオンを狙うベテランのドヴィツィオーゾや、2019年のイギリスGPでマルケスと接戦を制したスズキの若きエース、アレックス・リンスもいる。
2020シーズンもマルケスがシーズンを引っ張っていくと思われるが、ライバルであるロレンソやロッシといったベテランライダーはもちらん、リンスやクアルタラロといった若いライダーまでもがマルケスに挑んでいく事になるだろう。