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女子中学生レーサーJuju&野田英樹氏に聞く③ 「2020年は公式シリーズに出場を」

2019 8/6 06:00河村大志
インタビューに答えるJuju選手ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

中学生レーサーのJujuこと野田樹潤選手とお父さんでF1ドライバー経験者の野田英樹さんにインタビューする機会をいただいた。全3回でお届けする。

成長を促進させたアメリカでの経験

-今年の目標の一つに「より海外に行き経験を積む」とありました。今回アメリカを選んだ理由を教えてください

英樹さん:今Jujuの年齢で走れるところが限られています。13歳という年齢で走らせてくれるとなると選択肢がないんです。アメリカや南米が走れるということで今回はアメリカに。来年はおそらくどこかの海外でレースをすることになると思うんだけど、それも選択肢が絞られてる。それが再来年になるともうちょっと枠が広がるんですけどね。

来年14歳になる枠の中ではかなり限られてるけどその中でしっかりと公式年間シリーズを通して参戦できるところを探しています。この間のGWはアメリカを見に行きましたが今度はヨーロッパに行く予定で、来年その中でJujuにとって良さそうなカテゴリーを選ぶ予定です。

インタビューに答えるJuju選手ⒸSPAIA

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-初めてのオーバルをレジェンドカーで走られていましたね。駆け引き、乗り方、オーバル、何もかも違うものを経験したわけですが、現在参戦しているレースに活かせたことはありましたか?

英樹さん:アメリカに行く前と今とでは高速コーナーがかなり速くなった。踏めなかったところが踏んで行けるようになりましたね。

Juju選手:岡山だったら2コーナーとかマイクナイトコーナーが踏めるようになり速くなりました。今まではマイクナイトは全開じゃなかったですけど、今はコンディションにもよりますが全開でいく日もあります。

一番変わったのは2コーナーですね。前はアクセルを全部戻してブレーキも踏んでましたが、今はコンディションがいいときはブレーキを踏まず、アクセルを少し残した状態で曲がれるようになりました。やっぱりタイム的にも全然違いますね。

様々な場所で経験を積んだチームこそが結果を出せる

ー海外でもそういうところが大事になってくるサーキットが多いですよね。ベルギーのスパ・フランコルシャンだとオールージュで少しでもアクセルを緩めてしまうとそのあとのケメルストレートでの伸びが全然変わり全体のタイムにも大きく影響します。(ケメルストレートは緩やかな上りになっている) そういう意味でこの成長は大きいですね。それをたった一回の経験でものにするのはさすがですね!

英樹さん:今経験すればするほど吸収してどんどん成長するわけだから理解してもらえる環境であれば鈴鹿とか富士とか菅生とか走りたい。もし走れればもっと成長できるだろうし、それができれば今より比べ物にならないほど成長できてると思う。ただ今はこういう状況でこういう環境の中で精一杯ベストを尽くしてやるしかないですね。来年からいろんなサーキットをもっと走れるようになればさらに成長すると思いますね。

インタビューに答える野田英樹氏ⒸSPAIA

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-鈴鹿は一度走られてますけど、鈴鹿は様々なサーキットのコーナー特性を持ち合わせているので走行できればと思ってしまいますね。あと日本で経験できないといえば市街地ですよね。日本でF3のチャンピオンになっても、マカオで勝てるかといえばなかなかそうはいきません。それはやはりドライバーもチームも経験ができていない事が理由になるんですか?

英樹さん:それは大きいと思います。ドライバーにしてもメカニックにしてもチーム全体にしても様々な場所でたくさんの経験を積んだチームは総合力も個々のスキルも上がるだろうし。

レースの世界ではミドルフォーミュラ、若手が一番集まるF3あたりのカテゴリーを見ていると日本で活躍している子がマカオに行ってもなかなか前の方にはいけない、一方で前の方にいる海外のドライバーが日本に来たらいきなり結果を出す。

理屈というより結果論ですが、今年のF3は全日本にヨーロッパのトップチームが参戦していきなり結果が出てるわけでしょ。日本のチームが勝てない状態になってきている。これが現実です。

立ちはだかる年齢の壁

-モータースポーツはもちろんどのスポーツでも幼い頃から始めるのが当たり前になって来てますが、私にとって年齢が若すぎるという理由で苦労されているのはJuju選手がはじめてでした。

英樹さん:一時は走行もできないこともあったんですよ。これ(U17)も若いドライバーを育成するだけではなく、モータースポーツを身近にするために敷居を低くするためでもあるんです。それをやるとなった時にここ(岡山国際サーキット)で一緒になってやることになりました。

しかしそれは裏を返せばリスクもあります。経験の浅い若い子が乗るわけですから事故の際、責任を誰が負うのかなど。そういうことを避けたいと思うひとがたくさんいる中で、変えていかなくてはいけないと声をあげてくれた岡山国際サーキットさんがあったからJujuがこうして走れているんです。

インタビューに答えるJuju選手(左)と野田英樹氏ⒸSPAIA

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-ただこういう環境の中で成績を出して反対の声を無くしていく、まさに海外のような環境をJuju選手が作っていっていると思います。こういう道を歩んだ日本人ドライバーはJuju選手以外なかったですよね。

英樹さん:今でも厳しいです、正直。やっぱりこういうカテゴリーをやろうと思ってもお金もかかりますし、基本的にこういう年齢の子はカートで走っている。15才くらいまではカートをやるという流れですから。もちろんカートはすごくいい経験になりますし勉強にもなる、コストも比較的安くできるのがカートの魅力でもあります。

それはそれでいいですけど、他のカテゴリーも乗れると幅が広がります。こういうのをもっともっとカートをやってる子たちも理解できるようになれば台数が増えてくるはず。そうなればJujuが来年から海外にいって抜けたあとでも、Jujuに続くような子たちが出てくる。そんな子たちが、また世界に羽ばたいていってくれたらいいなと思います。

フォーミュラEは魅力的なカテゴリーになりそう

-世界最高のドライバーが目標ということでカテゴリーはあえて絞っていないというJuju選手ですが、合っていそうなカテゴリーなどはありますか?

英樹さん:面白いかなと思うのはフォーミュラEかな。これからの時代、Jujuの時代には一つの選択肢として魅力的なカテゴリーかなと思います。当然F1は頂点のカテゴリーで知名度のあるカテゴリーなんですけど、時代の流れとともにっていう意味ではJujuが10代後半になったくらいにはフォーミュラEはすごく良い選択肢の一つになっていく気がしています。

笑顔のJuju選手(左)と野田英樹氏ⒸSPAIA

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-世界各国のメーカーがこれまで参戦してきたカテゴリーから撤退してフォーミュラEに参戦することを表明してますよね。フォーミュラEのチャンピオンでもあるルーカス・ディ・グラッシ選手とも以前お話されていましたが、Juju選手にとってフォーミュラEはどのように映っていますか?

Juju選手:一度香港に観に行ったんですよ。普段乗っているマシンと違ってラジコンみたいな音でレースって感じではなかったけど、面白そうだと思いました。普通のレースだとあまりぶつかり合いとかしないじゃないですか。でもフォーミュラEはぶつかりながら抜いていくから、観てて面白かったです。乗れる機会があればぜひ乗ってみたいです。

-今年も半分を過ぎましたが今年の目標を教えてください

Juju選手:いろんな経験を積んでいくことが重要です。今年は来年のための準備期間でもあるのでレースだけではなくコミュニケーションに必要な英語も頑張りたいです。

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