ハンガリーでも原因不明のトラブルが野田を苦しめる
前戦フランスで手応えを掴んできた野田だったが、ハンガリーGPのフリー走行終了後の顔は険しかった。原因不明の不調により、まともに走ることができなかったという。
チームはフリー走行終了後から予選までの僅かな時間でマシンを調整するも、マシンの不調は直らず症状はさらに悪化していた。ステアリングが曲がったままの状態で野田はなんとか予選でタイムを記録するも、不本意な内容となってしまった。
レースに出るにはあまりにも危険なため、野田は参加しないことも考えていた。しかし野田はレースへの準備を進めることにした。少しでも経験を積むために。
パウエルがチャドウィックの連勝を阻止!
予選でポールポジションを獲得したのはアリス・パウエル、2位にはベイスク・フィッセール、3位にネレア・マルティが入った。ここまで圧倒的な強さを見せているディフェンディングチャンピオンのジェイミー・チャドウィックは5番手からのスタートとなり、今季ワーストの予選結果となった。
決勝レースはサーキットの所々にウエットパッチが残る難しいコンディションの中で行われた。レースはポールポジションのパウエルが後続を抑え、トップで1コーナーへ侵入。抜きどころが少ないハンガロリンクにもかかわらず、5番手スタートのチャドウィックが2位までポジションをあげ、トップのパウエルに肉薄した。
しかしパウエルは冷静にチャドウィックを抑え切り、今季初優勝。ついに王者チャドウィックの開幕からの連勝が止まる結果となった。
16位からスタートした野田は、ライバルのスピンもあり徐々に順位を上げていく。レース終盤に起こったクラッシュの際にセーフティカーが出動。リスタート時にベレン・ガルシアをパスし10位に浮上すると、ファイナルラップにはクロエ・チャンバースをオーバーテイクし抜き9位でチェッカーフラッグを受けた。
野田にとってWシリーズ初入賞、初ポイント獲得となった。予選順位から7つポジションを上げた野田は、ファン投票で決まるドライバー・オブ・ザ・デイも獲得した。
一時は出場自体も危ぶまれていたが、自身の「負けても負けてもあきらめない」という言葉通り、逆境を跳ね除けて入賞をつかみ取った。本来であれば次戦は母国日本で凱旋レースを行う予定だったが、Wシリーズ側の「予期せぬ運営側の課題」により日本での開催を取りやめ、シンガポールで行われることとなった。
今回の勢いのまま鈴鹿サーキットを走る野田の姿が見れないのは残念で仕方ないが、次戦もいい流れのまま上位でフィニッシュすることを期待したい。
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