横山武史騎手「まだまだ上を目指せる」
1ヶ月後に迫った3歳ダートクラシックの羽田盃に向けた前哨戦、京浜盃(JpnⅡ・ダート1700m)が26日、大井競馬場で行われ、横山武史騎手騎乗のナチュラルライズが後続に6馬身差をつけて勝利。1番人気に応えて重賞初制覇を飾った。
鞍上が「スタートしてからすぐコーナーでしたので、かかってでもいいので無理してポジションを取りに行った分噛んでしまいましたが、馬もよくそこでおさまってくれたと思います」と振り返ったように、道中は3番手のインをキープする。
逃げたリコースパローが6.9-11.5-12.1-12.5-12.5と淀みないペースを作ったなかでロスのない立ち回り。直線はリコースパローの外に持ち出されて残り200m標識の手前で先頭に立つと、右にモタれて(斜行して)若さを見せつつも後続を全く寄せ付けなかった。
札幌ダート1700mの新馬戦を勝利した際の勝ちタイム1:45.7は同日の12Rに組まれていた3歳以上1勝クラスを約1秒も上回るもので、素質の高さは披露していた。
しかし続く左回りのカトレアSでは勝利こそしたものの外に張る面をのぞかせ、前走の全日本2歳優駿では小回りコースも合わさって力を発揮できず4着に敗戦。これらの走りを比較しても、この馬の最大限のパフォーマンスが発揮できるのは右回りなのは間違いない。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
横山武史騎手の「新馬前から期待していましたし、とりあえず一つ重賞を勝つことができてほっとしています。まだまだ上を目指せる馬だと思います」という言葉のとおり、まさに羽田盃の主役候補に堂々と名乗りをあげる走りだった。
リコースパローは逃げて2着に粘る
6馬身離されたが、2着に好走したのは大井所属のリコースパロー。前走の雲取賞では好位に控える競馬で6着に敗れていたが、今回は二の脚を利かせてすんなりハナを奪うと最後までしぶとく食い下がった。
ホッカイドウ競馬所属時代には今回の京浜盃で4着だったソルジャーフィルドに対し、重賞の舞台で2度にわたり1馬身半差をつけて勝利している。その後ソルジャーフィルドはJBC2歳優駿を制し、全日本2歳優駿でも3着と好走した実績があるだけに、そこを物差しにすると今回のリコースパローの好走は頷ける。

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
3着にも大井のナイトオブファイアが入った。デビューから4戦4勝、いずれも後続を寄せ付けないレースぶりで今回は中1週と間隔が詰まっての出走だった。一気に相手も強くなり、ペースも違ったなかでの結果ということを踏まえると、先につながる内容だったと言える。

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
ソルジャーフィルドは、先行グループにいた馬たちが上位を占めて展開が向かないなかでも、離れた10番手から4着に追い込んできた。距離はもう少し伸びた方が良さそう。
5着はJRA所属のアメージング。スタートを決め、かつ内枠だったリコースパローの2番手というポジションから運んだが、直線では脚が上がってしまった。これまでのレースぶりからも現状では逃げる競馬が最も力を発揮できる形のように映る。
ライタープロフィール
三木俊幸
編集者を経てフリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場でレースシーンを撮影しながら、執筆活動も行っている。
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