先週のダートは高速決着が目立つ
11月3日(日)、京都競馬場ではチャンピオンズCに向けた重要な一戦、みやこS(GⅢ・ダート1800m)が行われる。JBCとも週が重なるだけに、出走馬が分散する傾向もあるが、今年は小回りの浦和コースを嫌ってなのか、GⅠ馬インティや前走の名鉄杯で強い競馬をしたスマハマ、3歳世代の主力の1頭ワイドファラオなど好メンバーがそろった。このレースも馬場予想の観点から分析していく。
先週末に京都競馬場のダートコースで行われたレース結果は以下の通りとなっている。

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土曜日の1レース~日曜日前半3レースは重馬場でのレースとなり、後半2レースが稍重でのレースとなった。タイム面では土曜日の3歳以上1勝クラスの1800m戦で1:50.4、稍重に回復後に1900mで争われた御陵S(3勝クラス)では1:56.4という速いタイムの決着が見られた。
上がりタイムでは、1着平均36.7、2着平均37.2、3着平均36.9、1〜3着平均36.9だった。今週は良馬場に回復してのレースとなることが予想されるため、全体的には先週より遅くなると考えるが、みやこSは重賞なので、先週の36.9というタイムは参考になりそう。

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脚質面では1着馬の4角平均通過ポイントが2.2P、2着が1.8P、3着が2.7Pと着順によってばらつきが見られた。しかし1〜3着の平均通過ポイントは2.2Pとなっており、基本的には先行馬が有利の馬場だったと言えるだろう。
過去8年の上がり平均は36.5
では過去のみやこSの傾向はどうだったのか、見ていこう。このレースが創設されたのは2010年、そして2018年はJBCが京都競馬場で開催されたことで、施行されなかったので過去8年のデータとなる。

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重賞レースらしく、良馬場でも36秒台の決着が多く、1〜3着まではいずれも平均36.5というタイムとなっていた。ここまで平均が同じ数値になるのは珍しいことだが、信頼度も高いと言える。

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通過順位を見てみると、1着馬は4角平均通過ポイントが1.9Pで逃げ・先行が断然有利、2着馬は2.5P、3着馬は2.4Pと差し馬の台頭も目立つ。ただ全体の4角平均通過ポイントは2.3Pとなっており、好位からレースを進められるタイプが狙い目だろう。
これらのデータから、基準の上がりは36.5、4角平均通過ポイントは2.3Pとして予想を行なっていく。
穴は前走で1800mに対応したヴェンジェンス
今年の出走馬の中でピックアップしたのは5頭。

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本命はアングライフェンとした。上がり平均が36.5とぴったり。4角平均通過ポイント2.6Pは+0.3Pだが3着以内ということを考えると、許容範囲内だと言ってもいい。近5走で馬券に絡んでいるのはいずれも1900m以上だが、今年は先行したい馬も多いので、1800mでも展開に恵まれそうで本命に推す。
対抗はスマハマ。続けて使えない体質の弱さがあるが、非凡な能力は秘めている。前走の名鉄杯では、1:47.6のレコード勝ちを果たした。上がり平均は36.7で+0.2秒差、4角平均通過ポイントは1.7Pとやや前目でのレースを得意としているが、3走前の青竜Sでは中団からの競馬でも2着となっていることから、控える競馬になっても問題ないだろう。
3番手はインティ。前走の帝王賞では6着と敗れたが、1800mは最も得意とする条件。フェブラリーSを勝利するなど実績は申し分ない。不安があるとすれば59kgという斤量だが、すんなりハナを切れれば、そのまま押し切りもあるかもしれない。
ヴェンジェンスは上がり平均が37.0ながら、4角平均通過ポイント2.1Pと適性が高い。1400mを得意としていた馬だが、前走の太秦Sでは58kgを背負って2着と初の1800m戦にも対応した。力的にはここでも通用するだけのものがあるので、人気がなければ穴で面白い存在だ。
アドマイヤビクターは上がり平均37.2、4角平均通過ポイント1.6と決して適性が高いわけではないが、まだ底を見せておらず、このメンバーでも通用する可能性に期待して印を回した。
▽みやこS予想▽
◎アングライフェン
○スマハマ
▲インティ
☆ヴェンジェンス
×アドマイヤビクター
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