Bコース替わりで先行馬の活躍が目立つ
11月3日(日)に東京競馬場で行われるのは、アルゼンチン共和国杯(GⅡ・芝2500m)。ジャパンC、有馬記念に向けても重要な位置付けのレースではあるが、東京の芝2500mはスタミナ比べのレースになることも多く、しかもハンデ戦。難解な一戦となるが、今週も馬場傾向の観点から分析、予想を行なっていく。
まずは先週末の10月26日と27日に東京の芝コースで行われたレースについて振り返っておこう。

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金曜日に大雨が降り、土曜日は稍重で始まったが、そうした中でも2000mの未勝利戦では1:59.8というレコードタイムがマークされた。その後、良馬場に回復して迎えた天皇賞(秋)では、好位につけたアーモンドアイが1:56.2というレコードタイムにコンマ1秒差で勝利するなど、高速決着のレースが目立った。
上がりタイムを見ても、2歳新馬戦で上がり32.9という速い上がり決着となるなど、1着平均33.8、2着平均34.0、3着平均34.0で全体の平均でも34.0という数値だった。実際に芝コースに入って歩いてみると、非常にクッションが利いており、雨が続いているにもかかわらず芝の状態は良好だと言えるだろう。

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脚質ではBコースに替わったこともあってか、最内を通った馬が多く馬券に絡んでいた。それは数字面でも明らかで4角通過時の通過順位を数値化した「4角平均通過ポイント」は1着2.2P、2着2.2P、3着2.5Pで3着以内の平均は2.3Pと先行馬有利の数値となっていた。
今週末は雨の心配はなさそうなので、先週以上に高速決着になることも十分考えられるだろう。
昨年は上がり勝負もスタミナが必要
続いて過去のアルゼンチン共和国杯のレース結果はどうだったのか、見ていこう。

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過去10年の上がりタイムは1着平均34.4、2着平均34.5、3着平均34.6で1〜3着の平均は34.5だった。しかし近年は上がりの決着になることも多く、2018年は1着のパフォーマプロミスが32.6、2着のムイトオブリガードが32.5という上がりを使って好走している。34.5を基準としながらも、スタミナ比べになっても対応できて、ある程度速い上がりを使った経験を兼ね備えている馬を狙うのが良さそうだ。

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通過順位を見ると、過去10年で4角を先頭で回った馬が馬券に絡んだのは2回のみで、差し馬の台頭が目立つ。4角平均通過ポイントでは1着2.5P、2着2.5P、3着2.7Pとなっている。先週の馬場傾向では先行が目立っていたが、2500mという特殊な条件だということを考えると、過去10年の1〜3着平均2.6Pを基準として予想したい。
本命は前走で目黒記念を勝ったルックトゥワイス
これらのデータをもとにピックアップしたのは、以下の5頭。

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本命は上がり平均が基準より+0.1の34.6、4角平均通過ポイントが+0.2の2.8だったルックトゥワイス。同条件の目黒記念では、上がり34.3を使って豪快な差し切り勝ちを見せており、適性は高い。32秒台の究極の瞬発力勝負になるとどうかとは思うが、33秒台の決着になら対応できる。
アフリカンゴールドは、4角平均通過ポイントでは2.2Pとやや前目の位置だが、前走は上がり33.6という自己最速のタイムで勝利しており、今の馬場にも向いているだろう。スタミナも豊富なタイプなだけに、どんな展開にも対応することができそうだ。
ムイトオブリガードは昨年のアルゼンチン共和国杯で上がり32.5を使って2着となっているように、瞬発力勝負でも実績がある。元々は少し力の要る馬場を得意にしていると思っていたので、スタミナ勝負になっても大丈夫。
アイスバブルは上がり平均35.2だが、平均通過ポイントでは2.6Pと適性が高い。加えて目黒記念で2着となった実績もあるので、3着以内に入る可能性は十分ある。
ポポカテペトルは切れる脚がなく、脚質面でも全て先行するレースで結果を残しているが、スタミナ勝負になれば強いので、押さえておきたい。
▽アルゼンチン共和国杯予想▽
◎ルックトゥワイス
〇アフリカンゴールド
▲ムイトオブリガード
△アイスバブル
×ポポカテペトル
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